- 2011-07-21 (Thu)18:06
- 近藤雅世
- 原油
原油価格が上昇している。7月21日のNY原油価格は1.57ドル高の97.50ドルだった。北海ブレント9月限価格は117.06ドルである。IEAが6000万バレルの石油備蓄在庫放出を宣言しても、効果はわずか2日だけで、90ドルを切った価格はその後100ドル近くまで上昇している。昨日の値上がりは、米国の住宅着工件数が思った以上に良かったためだ。
IEAの2011年石油需要見通しは、5月号の8920万バレルから6月号は8930万バレル、7月号8950万バレルと増加傾向にある。OPECの月次レポート7月号では2011年の原油需要は8818万バレルと6月の予想(8814万バレルから4万バレル増加させた)。非OPECからの供給は5289万バレル、天然ガス等からの原油が529万バレル、合計すると非OPECからの供給は5818万バレルとなる。需要から供給を差し引くと3000万バレルOPECが生産する必要がある。一方6月のOPECの生産量は2960万バレルなので、今年はこのままでは40万バレルの供給不足となる。しかし、在庫が3月末で陸上在庫41億9100万バレル、海上在庫8910万バレル、合計して50億8200100万バレルあるという。これは365日で÷と日量1392万バレル相当であり、これが40万バレル減少してもたいしたことではない。大したことではないと受け止めるか、在庫が減少すると受け止めるかによって価格は変わる。在庫が減るか、産油国が増産して石油生産能力が減少するからたいへんだというのが原油の買い手の論理である。しかし、OPECが19日に公表したデータでは、ベネズエラがサウジアラビアの原油確認埋蔵量を凌駕するほど巨大な原油田を発見している。今や世界1の産油国はサウジアラビアではなく、ベネズエラだという。こうしたニュースは市場にそれほど流れないが、ボディーブローのように後から効いてくるのではないだろうか。
やはり景気が本格的に回復しない限り原油価格は上がらないと思う。
IEAの2011年石油需要見通しは、5月号の8920万バレルから6月号は8930万バレル、7月号8950万バレルと増加傾向にある。OPECの月次レポート7月号では2011年の原油需要は8818万バレルと6月の予想(8814万バレルから4万バレル増加させた)。非OPECからの供給は5289万バレル、天然ガス等からの原油が529万バレル、合計すると非OPECからの供給は5818万バレルとなる。需要から供給を差し引くと3000万バレルOPECが生産する必要がある。一方6月のOPECの生産量は2960万バレルなので、今年はこのままでは40万バレルの供給不足となる。しかし、在庫が3月末で陸上在庫41億9100万バレル、海上在庫8910万バレル、合計して50億8200100万バレルあるという。これは365日で÷と日量1392万バレル相当であり、これが40万バレル減少してもたいしたことではない。大したことではないと受け止めるか、在庫が減少すると受け止めるかによって価格は変わる。在庫が減るか、産油国が増産して石油生産能力が減少するからたいへんだというのが原油の買い手の論理である。しかし、OPECが19日に公表したデータでは、ベネズエラがサウジアラビアの原油確認埋蔵量を凌駕するほど巨大な原油田を発見している。今や世界1の産油国はサウジアラビアではなく、ベネズエラだという。こうしたニュースは市場にそれほど流れないが、ボディーブローのように後から効いてくるのではないだろうか。
やはり景気が本格的に回復しない限り原油価格は上がらないと思う。
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