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金価格を巡る動き

  • 2016-05-11 (Wed)
  • 近藤雅世
昨日の『週刊ゴールド』に書いたことであるが、ワールドゴールドカウンシルのレポートによれば、金価格は1975年以来5回のブルマーケットとそれに続く5回のベアマーケットが下記チャートのようにあったという。
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現在は2011年9月の1923.6ドルという史上最高値以来のベアマーケットの領域にあり、そろそろ反発してブルマーケットに入る時期であるという。
その根拠としては、昨年第4四半期と今年第1四半期の金価格は上昇しており、過去の例で言うと2四半期連続で金価格が上昇すれば、上昇トレンドに入ったことを示すという。
これまでの5回の下降トレンドでは35〜55%のマイナスリターンとなったが、過去の上昇トレンドでは、27%と75%を最低として、それ以外はすべて3桁のリターンとなっているという。中長期的には金は買いの時期に入ったのかもしれない。

ただ、水を差すようであるが、以前から指摘しているNY金に対するファンドのネット買い残が5月3日までの週も過去最大を更新しており、オプションを含む数字で約30万枚のネット買い残となっている。来週も更に買い上げる可能性はあるが、いずれどこかでプロフィットテイクをしてファンドが売り閉じる可能性を抱えている。

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6月の米国における利上げの有無を巡って、ドル高になったり、ドル安になっており、2014年来積み上げられてきたファンドのドル買いは今年に入ってから減少していたが、最近再びファンドがドルを買い始めている。
利上げがあるとするなら今後もドルは買われる可能性があり、その場合は金安となる。
ただ、先週の雇用統計のように、米国の経済が足踏みしていると見れば、利上げは遠のき、ドルは安くなる代わりに円やユーロが高くなることになる。

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中国の金需要減少

  • 2016-04-27 (Wed)
  • 近藤雅世
先週末NY金価格は▲20.3ドルと大幅に下落し、月曜日には+10.2ドル高と半返しになっている。ただ、今後の金価格はどちらかと言えば弱いのではなかろうか。
なぜなら世界の二大金消費国の金の需要が変調をきたしているためだ。

中国は、経済成長の鈍化を受けて、24金宝飾品の加工プレミアムがほとんど採算割れになるまで落ちており、宝飾品用金需要が減っている。そのため、昨年大幅に増加した銀行による宝飾品加工業者向け金リース事業が急速に縮小している。その背景には金利の下落と、政府によるリース相手先の与信管理強化の政策転換がある。

そのため、リースされた金は満期を迎えると再リースになることなく金が返還されている。返還された大量の金地金の在庫を抱えた中国四大銀行は、金地金輸入を急速に減らしており、中国の1月〜2月の金の輸入量は前年同期比▲44%の輸入減となっている。3月の数値は未だ発表されていないが、上海黄金交易所における輸入金に対するプレミアムが急落しているため、3月も輸入は少ないと思われ、年内の回復は見込めないという。いよいよ中国発の個人消費減退の波が、金需要にも表れ始めている。

一方、世界第二位の金消費国インドは政府による1%の販売税再課税反対のためインド国内宝飾品小売店舗は43日に及ぶストライキを行っていたが、ストライキが終わった後再開された店舗に金の需要は戻っていない。インドでは、昨年来金宝飾品需要の低迷が続いている。金価格が高くなり過ぎたという事情もあるが、昨年のインドの金需要が主な落ち込んだ理由は、モンスーン時期に雨が降らず全国的な干ばつとなり、農民の収入が減ったためである。需要の3分の2を占めるインドの地方の婚礼や祭礼時の金購入が、収入減の影響を受けて節約された。そして、現在インドでは連日32℃を超す猛暑が続いている。今年もモンスーン時期に雨が降らないのではないかという恐れが農村一帯に広がっている。おそらく今年もインド人の財布のひもは固くなるのではなかろうか。

2大需要国の需要減を見るまでもなく、金は年初から17%も上昇しており、反落の時期を迎えている。ファンドのネット買い残は2012年10月以来3年半ぶりの多い水準となっており、いつ手仕舞い売りされてもおかしくない。

また6月に向けて米国連邦準備制度理事会は利上げの兆しが出るかもしれない。そうなればドル高、商品安となる可能性がある。たとえそうならなくても、株価は乱高下から収まっており、金をセーフヘブンとして買う理由は今後少なくなるのではなかろうか。

金価格下落に注意されたい。

ETF・ETNからの買いが増えれば急落する可能性あり

  • 2016-03-16 (Wed)
  • 近藤雅世
東京金価格は、3月7日の4622円を天井に4447円まで下落している。▲175円安、▲3.8%下落している。明日3月16日は米国連邦準備制度理事会が公開市場委員会を開催する。事前予想では利上げは無いと見られている。記者会見におけるStatement米国の経済状態や雇用環境がBalanceしているという12月のFOMCにおけるStatementに記載された文言が今回も入るかどうかが注目されている。バランスしているなら、今回は利上げしないが、次回の4月26日〜27日のFOMCかその次の6月14日〜15日のFOMCで利上げが行われるというサインとなるという。今年は3回、来年は4回の利上げがあるという表現があるかどうかも注目されている。
NY金価格は、昨年12月1日を100とすると、3月11日時点で118.3と12月以来18.3%の値上がりとなっており、東京金は同じく109.4と+9.4%の値上がりである。この差8.9%はドル円がこの間に92.6と、7.4%円高になっていることが要因となっている。ぴったり数値が合わないところが完全にアービトラージが行われていない証拠でもある。
NY金や東京金の12月1日からのグラフをそれぞれダウ平均株価と日経平均株価と合わせて描くと、12月からの前半は金高、株安となっており、2月11日以降は株高でかつ金高となっている。一概に断定することはできないが、概して株安の金高である。

またNY金とドルインデックスをグラフ化すると、2014年1月からのグラフでもドル高の金安がはっきり表れているが、12月1日からのグラフでは、ドル安の金高が明白となっている。


最近の金価格と原油価格の動きの背景には株式投資家が金や原油のETFを通じて買っていることが特徴となっている。先物投資家の出来高は先細っているが、東京商品取引所における原油の出来高は多くを原油ETNのヘッジ買いが証券会社から入っていることにある。この特徴は、買いから入るという点である。原油価格も26.11ドルという安値を付けて売られ過ぎで反発するだろうという思惑から原油需給の緩みにもかかわらず買い上がっている。そして、こうした買いは価格の下落に弱いことが上げられる。ファンドの動きでも買いが一方的に溜まるといずれ売り閉じによる急落があり得る。いまの時期はこうしたETNによる原油買いが、価格の下落を見てプロフィットテイクの売り閉じをすることがあるのではないかと思われる。それは大幅な原油価格下落になって表れるのではなかろうか。同様なことが金についても言える。

わかりにくい相場だが、たぶん反落ではないだろうか

  • 2016-03-09 (Wed)
  • 近藤雅世
東京金も東京原油も東京ゴムもみな上げ調子になっている。
東京金は、1月15日の4,046円から3月7日には4,622円まで+576円、+14.2%上昇した。ことに3月4日は一日で+71円、+1.6%の急騰であった。しかしその背景に何があるというわけでもない。1月初めから世界の株価が急落し、株式投資から離れた資金が割安な金に向かって金ETFが売れた。しかし、今や世界の株価は下げた分を取り戻して上昇している。リスクオンとかリスクオフというわけのわからない解説では説明できない状況である。しかも金はすでに割安ではなくなっている。金が高くなる要因として今後あるとすれば中国の不良債権処理や、過剰設備の問題であるが、5日から始まった中国の全人代では習近平政権が構造改革の推進や減税等の対策案を示すものと思われる。少なくとも13日の閉会までは何事も起きないであろう。

東京原油価格は野村証券の発行する原油ETNが売れて、そのヘッジ玉が東京商品取引所に流れ込んでいる関係から、急騰を見せている。しかし、売られ過ぎだという感覚以外に原油価格が大幅に上昇する要因は見当たらない。サウジアラビアはあれほどロシアやカタール、ベネズエラから迫られても、かたくなにシェア確保の方針を崩していない。産油国は減産を行う余裕はなく、イランは経済封鎖解除による増産を目論んでいる。どの産油国も下落した原油価格を補うためには量を販売するしかない。一方で、原油の需要が増加するという話はどこにもない。原油需要増加の過半は新興諸国のモータリゼーションによるものだが、BIRCS各国の経済は沈没寸前である。新興諸国国民の財布は締まることはあっても緩む余裕はないだろう。こうしたファンダメンタルから考えると、今とても原油を買う気にはならない。あるとすれば売りだろう。
東京ゴムも、原油価格につられて上昇しており、また3月1日から61万5千トンの輸出削減をインドネシア、タイ、マレーシアが行うと宣言しているが、実際にできるかは疑わしい。とりあえず東京ゴム価格は上昇して反応しているが、失望売りがいつ出てもおかしくないだろう。
まだまだ商品価格は一筋縄で理解できるほど簡単な様相は呈していないと思う。

金は一時的に下がるか?

  • 2016-03-02 (Wed)
  • 近藤雅世
先週わかりにくい季節に入っていると述べたが、まだその状況は続いている。NY金価格は昨年末の12月3日の1045.4ドルを底値に今年に入って急騰し、2月11日には1263.9ドルを付け、20.9%上昇したが、その後もみ合いに転じている。感覚的には押し目を作ると思っている。なぜなら、NY金に対するファンドの買いが5週連続で増加しており、ネット買い残が膨らんでいるからだ。金のネット買い残は昨年12月15日段階で、1万3,656枚しかなかった。それが、今年に入って1週の小幅減を除いて7週連続で万単位で買われており、2月23日時点では17万8,979枚と13倍に増加しており、17万枚のネット買い残は、昨年2月10日以来一年ぶりの多さである。こうした買い残はどこかで売り閉じられるものと思われる。したがって短期的に下押しがあるのではないだろうか。
ただ、中長期的には中国の不良資産の問題が世界経済に重くのしかかっている。OECDの経済開発会議議長によれば、現時点の世界の企業の負債総額は2007年のそれを上回っているという。世界の中央銀行は、何度も金融緩和という流動性を増す手法でこれに対処してきたが、実は中央銀行は資金不足に対応する手段は持っているが、債務超過を正す方法は持っていないと述べている。借金を新たな借入によって返済しても、借金は膨らむばかりで抜本的な解決にはならない。新しい収益を見つけるか、または誰かが痛みを伴って債権を切り捨てる以外に整理する方法は無い。困ったことに、中国は一党独裁国家である。民主主義国家であれば、企業整理により多くの失業者が出ても、選挙により代わりの政権が担当することになり、政治問題にはそれほど発展しない。しかし、硬直した独裁制では、民衆の不満は政権打倒に向かう。それに対して北朝鮮のような強権発動で押さえつけるか、ロケットを打ち上げて対外的な緊張関係に大衆の目をそらすか、いずれにせよ経済問題で済む話が政治問題に発展する。こうした中国の行く末を想像すると、これから一時的に下がるかもしれない金は、下押ししたときに再び買うべきだと思う。ただ、原油は買ってもこうした事態には役に立たないだろう。

わかりにくい時期

  • 2016-02-24 (Wed)
  • 近藤雅世
今は相場の行方が分かりにくい時期に入っている。NY金価格は2月11日1263.9ドルという昨年2月2日以来一年ぶりの高値を付けた後急落し、1210.1ドルになっている。上昇トレンドができたと思ったが、2月11日までのことであり、揉み合いに転じている。こうなるとこの揉み合いの後にどちらに向かうかが方向を決めることになり、今の時点では何とも言えない。その背景には株価が下げ止まったことがある。ダウ平均株価は1月20日15,450ドルまで下落したが、16,620まで7.6%反発しており、日経225は2月12日の14,865円を底値に16,052円まで8%戻っている。上海総合指数も1月27日の2,638.3から2927.1まで10.9%上昇。株価の反発と共に、先行きの不安が解消されつつある。世界の景気は決して良くなく、企業業績も低迷しておりとても大盤振る舞いの賃上げを認められるほどゆとりはないが、今後どうなるだろうというほどの恐怖感もない日本人には慣れ親しんだ状態である。
日本の債券ディーラーはほんの僅かの金利の動きを追う日々がここ数十年続いていたが、いよいよマイナス金利との闘いとなり、とても利ザヤを抜くような状況とは程遠くなっている。資金の運用をせざるを得ない立場のディーラーは、貸し付けも金利の利ザヤもダメで、最近欧米のブリオンバンクは金等の商品投資からも撤退している。今後金融機関の資金運用はいったいどうなるのであろうか。銀行や保険会社の株価が下がるわけである。
さて、商品投資の世界に戻ると、こうした時期は、投資を休むか、どうしても投資するなら一定のレンジ(相場の上下幅)を決めて、下限に達したら買い、上限近くなったら売るというこまめなサヤを取るしかないだろう。そうした操作は最も難しい技術の部類に入る。

金は上昇トレンドに乗ったか

  • 2016-02-10 (Wed)
  • 近藤雅世
NY金価格は、12月3日の1045.4ドルを底に2月8日は、1197.9ドルに+152.5ドル、約4割上昇している。ギャンの理論によれば、陽線が3本続くと上昇トレンドとなるというが、1月初めからすでに3回、3本連続の陽線が出ているので、金価格の上昇トレンドは本格的になったと思われる。

価格上昇の要因は様々考えられるが、まず最初に言えるのは、金価格は2011年9月以降長らく低迷しており、今年1月まで52カ月弱気相場が続いていたが、1970年代以降の4回の金価格低迷期間は平均52カ月であり、そろそろ弱気相場が終わっても良い時期であり、金価格には割安感が出ていることが背景にあることである。

二つ目の要因として、金の新規鉱山開発は1995年にピークを迎えており、新規開発から鉱脈が尽きるまでの期間が平均20年と言われており、昨年が新規開発鉱山の生産のピークを迎えているという。金は天然資源であり、いずれ鉱脈は尽きる宿命にある。そのため、最近金鉱山株価が上昇している。
また1100ドル程度の金価格でば金鉱山が収益を挙げるのは難しく、鉱山会社は新規投資を手控える。こうした動きは今後の金の供給に影響を及ぼすだろう。むろん世界に13万トンあると言われる金の地上在庫があるので、供給不足になる恐れはないが、スクラップの発生は低価格のために止まっており、以前は隆盛した金の買い取り業者も発生量が少ないため最近はダイヤモンド等の買い取りに鞍替えしている。

三つ目はドル安である。昨年秋に旺盛であったファンドのドルインデックスに対する買い増しはこのところ少なくなっており、ネット買い残は2月2日時点で4万4千枚と昨年3月の8万2千枚から半減している。ドルは2014年初めを100とすると2015年3月24日に124.3の高値を付け、今年1月29日に123.5とそれ以来のドル高となったが、2月4日には119.7まで約▲5%急落している。米国雇用統計は非農業就労者数が予想より少なく、場合によっては3月の再利上げは見送られる可能性もでてきた。ドル高はここ2年間、金安の原動力であったが、ドル安は金高の原動力になるであろう。

四つ目は、中国の不気味な経済破綻の恐れである。何度も述べられておりその後特に表面化していない中国の危機は、不良債権、土地等の不良資産、不良在庫、過剰設備等、国有企業でなければ、金融機関が融資を引き揚げて倒産していてもおかしくない状態が長らく続いている。そろそろ中国企業が発行した社債がデフォルトになると格付け機関は警報を鳴らしている。年初から中国の株価は騰落を繰り返しているが、背後にはこうしたアンサステイナブルな国有企業の延命がある。こうした事態は今後好転する可能性は少なく、中国から逃げ出す外資が人民元を売っており、人民銀行は人民元の買い支えにもやっきとなって外貨準備は急激に減少している。こうした事態を冷静に見る中国人投資家は、資産を株式投資や預金から金に移し替えることは十分考えられる。世界一の金需要国は、家計に金塊を積み上げて自己の資産の安全逃避先しているが、この動きは加速するものと考えられる。
金ETF残高は、2月4日時点で1341トンと二週連続で増加し1カ月前から比べて+97トン、+7.8%増えている。金価格は今後短期的な反落はあるとしても、長期の流れは金高方向に向いていくのではなかろうか。

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