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金とビットコインを始めとする暗号通貨(その2)

  • 2021-03-31 (Wed)
  • サンワード貿易
金と暗号通貨の用途

前回金には四つの需要があると書いた。
一方暗号通貨は、投資用目的がその主要用途である。厳密に言えば、通貨としての交換価値を利用する用途もあると思われる。この点については、World Gold Council(WGC)は述べていないが、この用途については本レポートでは後述する。

WGCは、暗号想通貨はデジタル(非有形)資産であり、私たちの見解では、現在の主要な(唯一ではないにせよ)需要源は投資用であると考えている(表1)。
例えば、ビットコインの最近のパフォーマンスと変動の多い動きは、ビットコインが主に価格の勢いに反応していることを示唆しているかもしれないが、これは通常、戦略的なポジショニングよりも、投機的なものにリンクしているという。
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金と暗号通貨の類似点

金と暗号通貨の間で最も言及されている類似点の1つは、希少性である。金の地上在庫は、2020年の鉱山生産を通じて1.7%の割合で増加しており(チャート1)、この割合は過去20年間でほとんど変化していない。 ビットコインの在庫は現在、年率3%に近いペースで増加しており、2140年頃には成長率がゼロになるようにゆっくりと減少するように設計されている。

金もビットコインも有限ではあるが、ビットコインはあらかじめ存在する単位数が決まっているため、一見優位性があるように見えるかもしれない。しかし、金の関連性は、元素の物理的・化学的特性の組み合わせや、入手可能性と希少性のバランスの良さによって固められている。

このように、銀、パラジウム、プラチナなどの他の金属や貴金属が存在する一方で、金は通貨標準に使用される資産として圧倒的に好まれており、1971年にブレトン・ウッズ体制が終了した後も、外貨準備の主要な構成要素であり続けている。
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暗号通貨は、増殖する可能性がある

既存の暗号通貨に取って代わる、あるいは全体の供給量を増やす可能性のある、より効率的な暗号通貨が追加されることを妨げるものは何もない。近年、暗号想通貨の世界は爆発的に拡大しており、さまざまなオンラインプラットフォームで利用できる暗号通貨は1万以上あると推定されている。

現在のところ、ビットコインはその知名度と大きなネットワーク効果の恩恵を受けているが、この空間は競争が激しく、この問題がどのように展開されるかを知るにはまだ時期尚早である。例えば、同じ構造を踏襲しながらもブロックサイズを増やしてコスト削減とスピードアップを可能にしたBitcoin Cashは数年前に発売されている。 他にもさまざまなビットコインのスピンオフ(または「フォーク」)が続いている。

金の生産と所有権は多様だが、ビットコインの採掘者は5つの事業体が約5割を支配金の生産と所有権は多様です 金の採掘は世界中に分散している。

金生産国のトップ5は、中国、ロシア、オーストラリア、米国、カナダで、ラテンアメリカとアフリカの国々が僅差で並んでいる。年間平均生産量は地域間で均等に分布しており、10%未満を占めるのはヨーロッパだけで、25%以上を占める大陸はない。同様に、地上在庫の所有権は広く分布している。米国財務省は、金の単一保有者としては最大の存在だが、地上にある全在庫の4%しか保有していない。  
ほぼ50%が宝飾品の形で(世界的に流通して)存在し、21%が金地金、コイン、金ETFの形で多くの個人投資家や機関投資家によって所有されている。

集中リスクは、暗号通貨の重要な問題として指摘されている。ビットコインの「採掘者」の数は、数千人からほんの一握りの主要な参加者に絞られている。ブルームバーグが報じたように、「5つのマイニング事業体(いずれも中国に拠点を置く)がネットワーク上の全コンピューティングパワーの49.9%を支配しており、マイニングパワーの集中度は過去最高であることがToken Analystの新しい分析で明らかになった」とされており、これが増えればネットワークに深刻なリスクをもたらす可能性がある。

ビットコインの所有者のわずか2%が全ビットコインの95%を保有
さらに、ビットコイン保有者の数は過去1年間で増加しているが(チャート2)、所有権は非常に集中しており、ビットコイン保有者のわずか2%が利用可能な全ビットコインの95%を所有している。

金とビットコインを始めとする暗号通貨(その1)

  • 2021-03-24 (Wed)
  • サンワード貿易
金とビットコインを始めとする暗号通貨に関して、World Gold Councilは2021年2月2日付け『Gold and cryptocurrencies』と言うレポートを発行し、金と暗号通貨の違いを述べている。この内容については、株式会社コモディティーインテリジェンスは2月15日付けの週刊ゴールドの記事で解説し、You Tubeの金と原油の動画サイト
gold-tv.net(https://gold-tv.net/)では2月15日に近藤 雅世が解説し、また別にモリタアソシエーツの森田隆大氏も同サイト解説している。

 World Gold Councilのrポートでは、投資としての暗号通貨と金を比較しており、通貨としての比較部分はかなり少ない。暗号通貨の側面を的確に記述しており、その意味では価値があるが、そこに書いていない部分もあるので、その点についても、筆者の力の及ぶ範囲で述べてみたい。これでもまだ通貨全体を語るには足りないと思われるが、何回かに分けてここにできるだけ述べてみたい。

(1)ビットコインの価格
ビットフライヤーズによれば、2021年3月16日のビットコインの価格は6148046.90円であった。1ヵ月前の2月16日の価格は5,216,377.1円であるので、この1ヵ月で +\931,669.8円、+17.9%と2割近く上がっている。年率は214%と驚異的な値上がりある。こうした値上がりを見ると、誰でもその投資ゲームに参加したくなるのは常であろう。
但し、3日前の3月14日の価格は\6,660,786.5だったので、2日間に▲¥512,739.6値下がっている。2日間で▲7.7%、年率では▲1,404.9%%である。上がる時も大きければ、下がる時も非常に大きいというボラティリティの高さがうかがえる。
https://bitflyer.com/ja-jp/bitcoin-chart

「中国意外に健闘している」

  • 2020-10-28 (Wed)
  • 近藤雅世
昨日のYou Tubeでの無料セミナーで(https://www.youtube.com/channel/UCJeiYMEFSimAGZmaQEaELug)述べたことだが、米国では大統領選挙が混迷している中、また新型コロナウィルスからの影響から大半の国がなかなか抜け出せないのに対して、中国のみが昨年のGDPを超えて経済成長を見せていることは、驚嘆に思っている。


筆者は1990年代香港に駐在し、中国には日常的に訪問していたが、当時は21世紀が中国の時代になるとは全く思っていなかった。社会主義のソ連邦が崩壊した時は、官僚が計画した数値を国有企業や人民が達成することが目標である社会主義では競争原理が働かないため、命令された員数だけ作れば事足りる経済であり、結局品質の向上という視点が抜けていた。案の定ソ連は崩壊し多くの社会主義国家は資本主義に移転した。


中国でも毛沢東時代は、隣の村が報告した生産量に負けてはならないと競って多くの生産量が達成されたと中央に報告し、その結果穀物を輸出するほどだった。実態は、架空の生産量であり、人民は食べるものがなく数千万人が餓死したと言う。ここまでは社会主義は非効率であると断定できたが、小平という賢人がトップに立って、西欧の新技術を経済特区に導入し、黒い猫でも白い猫でもネズミを捕る猫はいい猫だと言う格言を示し、競争して金持ちになることを黙認した。長くなるので、この辺りで端折るが、要するに、賢明な官僚が統制すれば、政治に対して人々がいろいろなこと述べる民主主義よりも、独裁的なシステムの方が新型コロナウィルスのようなパンデミックを乗り切るのはより効率的かもしれないと思っている。習近平主席に対して、長老たちが東シナ海での戦略を批判したと言う記事を見たが、独裁政権に対する賢明なレビューする組織がある限り、意外と中国は今後も成長を続けるのかもしれないと、少し残念な気持ちで思っている。

『短期的には金は反落、長期は上昇』

  • 2020-08-19 (Wed)
  • 近藤雅世
    金についてこのコラムで金価格は一時的な天井かもしれないと書いたのは7月21日であったが、実際にNY金価格や東京金価格などの先物価格が過去最高値となったのは8月7日であった。NY金価格は2,089.2ドルの過去最高値を更新し、東京金価格は7,032円と上場来高値となった。その後急落しているので、予言通りだっただろうと安堵のため息をついたものだ。ただそれを言うのが、3週間ほど早かった。なぜ反落するかと思ったかというのは、今回の金の投資家は欧米の金ETFを通じた金融投資家であり、ファンドや常連客の中国やインドの金投資家は買っていないからだ。
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    インドでは第2四半期の金の需要は前年同月比▲74%減だという。常日頃から金を貯蓄として購入している世界の人々は、高い時には買いを手控えて様子見を決め込む。金の需要がなくなったわけではなく、彼らは安くなるのを待っているのだ。トルコなどの通貨価値が急落している国の人々は、銀行預金を引き出して我先に金に資産を換えているため、金の需要はそれ程落ちていないが、ある程度通貨が安定している国では、過去最高値の時に金を買う人は少ないのであろう。

    新型コロナウィルス蔓延により経済活動が落ち込み、株価が急落した国では、金融投資家は債券に資金を持ち込んだが、10年物米国債の利回りは一時0.52%まで低下した。つまりそれだけ債券価格が上昇したと言うことであり、高値の債券を買う人は少なくなった。こちらも少し金利が揺り戻している。

    金融投資家は他に良い投資先があればいつでも乗り移る人々であり、同じところに留まる人々ではない。金より割安な投資先があれば、金で儲けた資金を利益化して他の投資に回る可能性は大きい。従って今後の金価格は更に下落する可能性が高い。ただ、ある程度納得のいく金価格になれば、中国やインドの婚礼を迎える花嫁のために金を買うことだろう。いわゆる持参金と言うやつだ。従って金価格が安くなれば根強い需要が現れるので、金価格が大きく下落することは無いだろう。先進国では今のところインフレの気配はないが、それでも物価連動国債TIPSは売れ始めている。多くの投資家がそろそろインフレが近づいてきていると感じているのかもしれない。無論トルコやアルゼンチンなどのハイパーインフレの国では、通貨をモノに換えないと毎日資産は目減りしていく。安定的なモノの代表格が金であり、基本的には金の需要は衰えないだろう。金を長期投資の観点から購入するのはもっともなことであろうが、短期的には金価格は下落する可能性があるかもしれない。

金価格を巡る動き

  • 2016-05-11 (Wed)
  • 近藤雅世
昨日の『週刊ゴールド』に書いたことであるが、ワールドゴールドカウンシルのレポートによれば、金価格は1975年以来5回のブルマーケットとそれに続く5回のベアマーケットが下記チャートのようにあったという。
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現在は2011年9月の1923.6ドルという史上最高値以来のベアマーケットの領域にあり、そろそろ反発してブルマーケットに入る時期であるという。
その根拠としては、昨年第4四半期と今年第1四半期の金価格は上昇しており、過去の例で言うと2四半期連続で金価格が上昇すれば、上昇トレンドに入ったことを示すという。
これまでの5回の下降トレンドでは35〜55%のマイナスリターンとなったが、過去の上昇トレンドでは、27%と75%を最低として、それ以外はすべて3桁のリターンとなっているという。中長期的には金は買いの時期に入ったのかもしれない。

ただ、水を差すようであるが、以前から指摘しているNY金に対するファンドのネット買い残が5月3日までの週も過去最大を更新しており、オプションを含む数字で約30万枚のネット買い残となっている。来週も更に買い上げる可能性はあるが、いずれどこかでプロフィットテイクをしてファンドが売り閉じる可能性を抱えている。

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6月の米国における利上げの有無を巡って、ドル高になったり、ドル安になっており、2014年来積み上げられてきたファンドのドル買いは今年に入ってから減少していたが、最近再びファンドがドルを買い始めている。
利上げがあるとするなら今後もドルは買われる可能性があり、その場合は金安となる。
ただ、先週の雇用統計のように、米国の経済が足踏みしていると見れば、利上げは遠のき、ドルは安くなる代わりに円やユーロが高くなることになる。

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中国の金需要減少

  • 2016-04-27 (Wed)
  • 近藤雅世
先週末NY金価格は▲20.3ドルと大幅に下落し、月曜日には+10.2ドル高と半返しになっている。ただ、今後の金価格はどちらかと言えば弱いのではなかろうか。
なぜなら世界の二大金消費国の金の需要が変調をきたしているためだ。

中国は、経済成長の鈍化を受けて、24金宝飾品の加工プレミアムがほとんど採算割れになるまで落ちており、宝飾品用金需要が減っている。そのため、昨年大幅に増加した銀行による宝飾品加工業者向け金リース事業が急速に縮小している。その背景には金利の下落と、政府によるリース相手先の与信管理強化の政策転換がある。

そのため、リースされた金は満期を迎えると再リースになることなく金が返還されている。返還された大量の金地金の在庫を抱えた中国四大銀行は、金地金輸入を急速に減らしており、中国の1月〜2月の金の輸入量は前年同期比▲44%の輸入減となっている。3月の数値は未だ発表されていないが、上海黄金交易所における輸入金に対するプレミアムが急落しているため、3月も輸入は少ないと思われ、年内の回復は見込めないという。いよいよ中国発の個人消費減退の波が、金需要にも表れ始めている。

一方、世界第二位の金消費国インドは政府による1%の販売税再課税反対のためインド国内宝飾品小売店舗は43日に及ぶストライキを行っていたが、ストライキが終わった後再開された店舗に金の需要は戻っていない。インドでは、昨年来金宝飾品需要の低迷が続いている。金価格が高くなり過ぎたという事情もあるが、昨年のインドの金需要が主な落ち込んだ理由は、モンスーン時期に雨が降らず全国的な干ばつとなり、農民の収入が減ったためである。需要の3分の2を占めるインドの地方の婚礼や祭礼時の金購入が、収入減の影響を受けて節約された。そして、現在インドでは連日32℃を超す猛暑が続いている。今年もモンスーン時期に雨が降らないのではないかという恐れが農村一帯に広がっている。おそらく今年もインド人の財布のひもは固くなるのではなかろうか。

2大需要国の需要減を見るまでもなく、金は年初から17%も上昇しており、反落の時期を迎えている。ファンドのネット買い残は2012年10月以来3年半ぶりの多い水準となっており、いつ手仕舞い売りされてもおかしくない。

また6月に向けて米国連邦準備制度理事会は利上げの兆しが出るかもしれない。そうなればドル高、商品安となる可能性がある。たとえそうならなくても、株価は乱高下から収まっており、金をセーフヘブンとして買う理由は今後少なくなるのではなかろうか。

金価格下落に注意されたい。

ETF・ETNからの買いが増えれば急落する可能性あり

  • 2016-03-16 (Wed)
  • 近藤雅世
東京金価格は、3月7日の4622円を天井に4447円まで下落している。▲175円安、▲3.8%下落している。明日3月16日は米国連邦準備制度理事会が公開市場委員会を開催する。事前予想では利上げは無いと見られている。記者会見におけるStatement米国の経済状態や雇用環境がBalanceしているという12月のFOMCにおけるStatementに記載された文言が今回も入るかどうかが注目されている。バランスしているなら、今回は利上げしないが、次回の4月26日〜27日のFOMCかその次の6月14日〜15日のFOMCで利上げが行われるというサインとなるという。今年は3回、来年は4回の利上げがあるという表現があるかどうかも注目されている。
NY金価格は、昨年12月1日を100とすると、3月11日時点で118.3と12月以来18.3%の値上がりとなっており、東京金は同じく109.4と+9.4%の値上がりである。この差8.9%はドル円がこの間に92.6と、7.4%円高になっていることが要因となっている。ぴったり数値が合わないところが完全にアービトラージが行われていない証拠でもある。
NY金や東京金の12月1日からのグラフをそれぞれダウ平均株価と日経平均株価と合わせて描くと、12月からの前半は金高、株安となっており、2月11日以降は株高でかつ金高となっている。一概に断定することはできないが、概して株安の金高である。

またNY金とドルインデックスをグラフ化すると、2014年1月からのグラフでもドル高の金安がはっきり表れているが、12月1日からのグラフでは、ドル安の金高が明白となっている。


最近の金価格と原油価格の動きの背景には株式投資家が金や原油のETFを通じて買っていることが特徴となっている。先物投資家の出来高は先細っているが、東京商品取引所における原油の出来高は多くを原油ETNのヘッジ買いが証券会社から入っていることにある。この特徴は、買いから入るという点である。原油価格も26.11ドルという安値を付けて売られ過ぎで反発するだろうという思惑から原油需給の緩みにもかかわらず買い上がっている。そして、こうした買いは価格の下落に弱いことが上げられる。ファンドの動きでも買いが一方的に溜まるといずれ売り閉じによる急落があり得る。いまの時期はこうしたETNによる原油買いが、価格の下落を見てプロフィットテイクの売り閉じをすることがあるのではないかと思われる。それは大幅な原油価格下落になって表れるのではなかろうか。同様なことが金についても言える。

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