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『短期的には金は反落、長期は上昇』

  • 2020-08-19 (Wed)10:00
  • 近藤雅世
    金についてこのコラムで金価格は一時的な天井かもしれないと書いたのは7月21日であったが、実際にNY金価格や東京金価格などの先物価格が過去最高値となったのは8月7日であった。NY金価格は2,089.2ドルの過去最高値を更新し、東京金価格は7,032円と上場来高値となった。その後急落しているので、予言通りだっただろうと安堵のため息をついたものだ。ただそれを言うのが、3週間ほど早かった。なぜ反落するかと思ったかというのは、今回の金の投資家は欧米の金ETFを通じた金融投資家であり、ファンドや常連客の中国やインドの金投資家は買っていないからだ。
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    インドでは第2四半期の金の需要は前年同月比▲74%減だという。常日頃から金を貯蓄として購入している世界の人々は、高い時には買いを手控えて様子見を決め込む。金の需要がなくなったわけではなく、彼らは安くなるのを待っているのだ。トルコなどの通貨価値が急落している国の人々は、銀行預金を引き出して我先に金に資産を換えているため、金の需要はそれ程落ちていないが、ある程度通貨が安定している国では、過去最高値の時に金を買う人は少ないのであろう。

    新型コロナウィルス蔓延により経済活動が落ち込み、株価が急落した国では、金融投資家は債券に資金を持ち込んだが、10年物米国債の利回りは一時0.52%まで低下した。つまりそれだけ債券価格が上昇したと言うことであり、高値の債券を買う人は少なくなった。こちらも少し金利が揺り戻している。

    金融投資家は他に良い投資先があればいつでも乗り移る人々であり、同じところに留まる人々ではない。金より割安な投資先があれば、金で儲けた資金を利益化して他の投資に回る可能性は大きい。従って今後の金価格は更に下落する可能性が高い。ただ、ある程度納得のいく金価格になれば、中国やインドの婚礼を迎える花嫁のために金を買うことだろう。いわゆる持参金と言うやつだ。従って金価格が安くなれば根強い需要が現れるので、金価格が大きく下落することは無いだろう。先進国では今のところインフレの気配はないが、それでも物価連動国債TIPSは売れ始めている。多くの投資家がそろそろインフレが近づいてきていると感じているのかもしれない。無論トルコやアルゼンチンなどのハイパーインフレの国では、通貨をモノに換えないと毎日資産は目減りしていく。安定的なモノの代表格が金であり、基本的には金の需要は衰えないだろう。金を長期投資の観点から購入するのはもっともなことであろうが、短期的には金価格は下落する可能性があるかもしれない。

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