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北朝鮮ミサイルと価格の関係

GFMSのレポートによれば、日本の金小売需要はこれまでそれほど伸びていなかったが、北朝鮮の度重なるミサイル発射や核開発のニュースを受けて、日本の金の現物需要が少し増えている。

ただし日本の宝飾品需要はまだ少なくとも年末まで増加する見込みはない。8月28日北朝鮮からミサイルが発射された時、東京金価格は2016年B3月以来の高値4600円を付けた。田中貴金属では金の延べ棒の売れ行きが伸びたという。

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東京金価格は8月29日の4447円/gから9月1日4658円に+211円、3日で+4.7%上昇している。

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それなら、金価格はこれまでの北朝鮮によるミサイルで反応していたのかということを調べてみた。まずはNY金との関係をみてみた。北朝鮮からは、1993年5月以来以下の13回のミサイル発射や6回の核実験が行われている。その都度NY金は反応したかというと答えはNoである。全部のグラフを見せるのはたいへんなので、一部のみ掲載するが、19の事変でNY金価格は上がったり、下がったりしていて、通常の値動きと変わりはない。

 同様に、ドル/円は今回2017年9月3日の核実験の時のみ円高に触れたが、それ以外の時は、円高になったり円安になったりと、目立った兆候は無かった。つまり、北朝鮮リスクはNY金にもドル円にも確たる反応は表れていないというのが結論である。東京金と日経平均株価、NY原油についても精査してみる。

1993/5/29 中距離弾道ミサイル「ノドン」発射
1998/8/31 長距離弾道ミサイル「テポドン1号」発射
2006/7/5 長距離弾道ミサイル「テポドン2号」発射含む7発のミサイル発
2006/10/9 初の核実験
2009/4/5 長距離弾道ミサイル「テポドン2号」改良型
2009/5/25 二度目の核実験
2012/12/12 長距離弾道ミサイル「テポドン2号」改良型
2013/2/12 三度目の核実験
2015/5/9 潜水艦発射弾道ミサイル発射
2016/1/6 四度目の核実験
2016/2/7 長距離弾道ミサイル「テポドン2号」改良型
2016/8/24 潜水艦発射弾道ミサイル発射
2016/9/9 五度目の核実験
2017/2/12 新型中距離ミサイル「北極星2号」発射
2017/5/14 新型の中距離ミサイル「火星12型」発射
2017/7/4 大陸間弾道ミサイル「火星14型」発射
2017/7/28 大陸間弾道ミサイル「火星14型」発射
2017/8/29 新型の中距離ミサイル「火星12型」発射
2017/9/3 六度目の核実験

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金価格下落

NY金価格が値下がりした。9月8日1362.4ドルを付けたNY金は、12日1328.8ドルまで下がっている。国連安保理で北朝鮮の制裁決議の採択後にドル高に振れたことを受けて軟調となった。
上がったものはいつか下がるという教訓を忘れることが多い。いつまでも上がると思うのは幻想である。
 ファンドの建玉から見ると、9月5日までの時点で、NY金に対するファンドのネット買い残は前週から+3万3千枚増えているが、これは買い残が3万枚増え、売り残が▲3千枚減ったためである。これだけを見ると9月5日まではファンドは金を買い増していることがわかる。つまり、これを見ていても金価格の下落は予測できなかった。
 問題はこの下げが一過性のものか、それともNY金の上昇トレンドが反転したのかを判断することであろう。
常識的には9月20日のFOMCで利上げが無いとするなら、それが確定した後は金はこれまでの上昇トレンドに再び乗るような気がする。むろん利上げがありそうであれば、このまま反落することもあり得る。
 また、年初から一方的に下落して▲10%以上値下がりしているドルはそろそろ反発するころかもしれない。下グラフの一番右を見ると、少し反発していることが見て取れる。ここで底打ちしてもおかしくないほどのこれまでの下げであった。仮にドルインデックスが横這いないしは反発し始めれば、(この背景としては利上げがあることが一番大きな要因と考えられるが)金の値上がりトレンドには一定の歯止めがかかるかもしれない。いずれにせよ金もドルも一方的な流れはいつまでも続くわけではないと思う。

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原油価格は上昇するか?

8月25日に米国テキサス州に上陸したハリケーンハービーは、迷走した上、大量の降雨をもたらし、ヒューストンを中心にメキシコ湾岸地域を水没させた。
この時のNY原油価格は下グラフのように下落した。一方ガソリン価格は上昇して、8月31日に急騰しその後下落した。
原油価格は当初石油精製設備の閉鎖により原油投入量が減る、つまり原油需要が少なくなると市場は読んで下落したと言われた。これを見たOPECの高官は「One of the most Strangest Things they have seen」と述べている。全米の石油精製設備の25%が集積しているメキシコ湾岸が水没したことで石油精製設備は大きなダメージを受けた。たとえば、日量60万3千バレルを精製している全米最大の石油精製設備、テキサス州Port ArthurのMotiva Enterprises製油所は、再稼働するまでに少なくとも2週間かかると述べている。しかし、米国の石油精製設備生産能力が減少しても、ガソリン需要が減るわけではない。ことに9月4日はLabor Dayの3連休で全米で外出が多くなる。先週の全米ガソリン平均小売価格は未だ公表されていないが、おそらく各地でガソリン価格は上昇していることだろう。
米国でガソリンの精製ができなくなれば、カナダやメキシコ、あるいは欧州からガソリンの輸入が増えることだろう。つまり、米国の原油投入量は減るとしても、米国のガソリン需要が減らない限り、世界レベルでは米国が減った分だけ原油の投入量が増加してガソリンが作られ米国に輸出されることになる。
また、水没したのは、石油精製設備ばかりでなく、全米最大のシェール油田も同様である。つまり原油の生産に支障があるはずである。

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それでは、原油先物価格が下落してガソリン先物価格が上昇したのは、なぜだろう。それは投資家がクラックロングのポジションを作ったためと思われる。つまり、原油売りのガソリン買いである。そのため、原油価格が下がり、ガソリン価格が上がったのだと思われ、9月1日にガソリン価格が下がり原油価格が上がったのはその一部が解消されたためと思われる。

ここからは想像の域であり、かってな予想であるため、当たるも当たらないも保証の限りではないが、連休明けから原油が買い戻され、ガソリンが売り戻されると読んでいる。つまり原油高のガソリン安が更に続くと思っている。

これは、ファンドの建玉にも表れている。原油に対するファンドのネット買い残は8月8日の週から4週連続で減少しており、殊に8月29日の週は▲13万枚も大幅な売り越しとなっている。これは買いが少なくなったのではなく、空売りが増えたことが下の表でわかる。

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一方、ブレンドガソリンに対するファンドの建玉は、7月18日の週から増加し続け、7週連続して買いが増えている。

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ファンドの建玉は過去の話であり、相場を読むには過去のデータを元に未来を推測するしかない。
この場合は、売られ過ぎの原油はいずれ買い戻され価格は上がるだろうということと、買われ過ぎのガソリンはいずれ売り戻され価格は下がるだろうという予測となる。もっとも、絶対保証の限りではなく、ファンドは更に原油を売りまくり、ガソリンを買いまくるかもしれない。それは状況に応じて判断するべきだが、少なくとも売られたものはいつか買われるという時間の問題と言えるだろう。

欧高米低

昨日月曜日のNY金価格とNY原油価格は大きく方向が分かれた。NY金は先週末開催されたジャクソンホールにおけるイエレンFRB議長の講演で利上げについての言及がなかったことで昨日も+17.4ドル上昇し、1,315.3ドルと1,300ドルの大台を超えた。一方NY原油価格は、ハリケーン「ハービー」がテキサス州ヒューストンの町を冠水させ、全米の石油精製設備の3分の1が集積するメキシコ湾岸を襲って石油精製設備やシェールオイル油田の操業を停止させ、常識的に考えれば原油価格は上がると思うのだが、ガソリン価格は上昇したにもかかわらず、石油精製設備の稼働停止は原油投入量が減少すると市場は受け止めて原油価格は▲1.3ドル安の46.57ドルに沈んだ。なかなか常識では市場の感覚をつかめないものである。そもそも投機家は原油を機会あれば売りたがっているようである。

本日の週刊経済指標では欧州の景気動向とユーロ高の背景を探ったが、どのグラフを見ても欧州の景気は回復軌道にあり、米国のそれよりもはっきりしている。これを欧州というよりドイツに限ってみればさらに力強さを増すのであろう。従って先週のドラギECB総裁は特に金融緩和の縮小についての道程を語らなかったがそれでもユーロ/ドルは1.1977と高くなり一層のドル安となっている。トランプ政権の迷走や米国の景気の回復よりも欧州の回復の方が力強いという市場の読みがあるのであろう。米国における利上げはすでに3回行われ、年内には1回あるかないかである。今週の米国雇用統計や消費者物価デフレーターの数値によっては9月の利上げは少し遠のくかもしれないが、欧州では金融緩和の縮小に続いてゼロ金利からの脱却が来年以降に迫って来るとの気配である。金利差は通貨の強弱に関連するため、現在の傾向としてはユーロ高ドル安が是とされるのであろう。米国株式に対しファンドが大きくその持ち高を減らしたというニュースもあり、西高東低ならぬ欧高米低の雰囲気である。

原油価格はレンジ相場

 原油やゴムの価格を聞かれるとレンジ相場という以外に思いつかない。レンジ相場とは一定の範囲内で価格が上下動をする相場つきである。価格の動きの大半はレンジ相場だと思って間違いない。
 原油の場合、昨年11月や今年5月に決められたOPEC諸国による減産の効果がリビアやナイジェリア等増産している国が多いという点や、世界の需給は供給過剰がこの5年以上続いているということなど、弱気の要因には枚挙にいとまがない。
一方米国の原油在庫は8週連続で減少しているという事実は強気の要因であり、先週石油掘削稼働リグ数が2週連続で減少したというのも、今年後半に増加すると見られていた米国のシェールオイルの生産が先延ばしされるのではないかという意味で、強気の要因となっている。
 しかし、いずれも光輝く情報ではない。手垢のついた薄汚れたニュースであり、今更だからという感じである。つまり決定的な要因とはなっていない。
従って、原油価格は横這いだろうと言うしかない。55ドルを超えると高すぎると思われ、かといって42ドルを下回ると安すぎると思われる。東京原油価格では3万円と4万円の間で当分動くのではなかろうか。
ただし、マラッカ海峡で大事故が起こり通行不能になるなどの事件や事故が起きれば別であるのは言うまでもない。

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今年の初めを100とした指数

今年の1月4日を100とした指数で見ると、8月7日までの特徴的な点は以下の三点である。

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ドルがほとんどの通貨に対して弱くなっており、年初から▲9.5%安くなっている。
表のように、19通貨のうちで、ドルインデックスとユーロ/円(ユーロに対して円安)のみが安くなっており、他の全ての通貨はドルに対して強くなっている。典型的なのはユーロ/ドルの+13.4%であるフランス、スペインやドイツの景気は悪くなく、ECBが金融緩和縮小をほのめかしており、ユーロは強くなっている。また、資源国通貨やアジア諸国の通貨もドルに対して高い。

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米国のダウ平均株価は過去最高値を毎日更新し続けているが、実は米国株だけが高いのではない。年初から上海株を除いて18市場の株価は値上がりしている。最も上昇しているのは香港ハンセンの25%やインドセンセックスの21%を始めとするアジア株で、ダウ平均株価の値上がりはそれらの半分の11.2%でしかない。2万円を超えた日経平均株価は、下位に位置して19市場中16位の+4.9%で、英国株と並んでいる。フランスやドイツ株の方が上位に位置している。

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商品はどうかというと、約半数が上昇し、半数が下落している。これを昨年始めを100とした指数で見るとほぼ全部が上昇しているが、今年に入ってから原油や穀物価格が下落している。NY金は年初から+8.4%高と健闘しており、これはドル安のためだと思われる。

「原油価格は最近50ドルを付け、今年は上がっているのではないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれないが、今年初めの原油価格は55ドルから始まっているので、6月21日の42ドルからは上昇しているが、まだ年初の価格には達していない。ドル安の恩恵を受けてすら横這いなのであるから、かなり原油の需給は緩んでいると市場は思っているようだ。
OPEC諸国は昨年11月から協調減産をしており、5月25日にはその延長も決議したが、実際のところはOPEC諸国からの輸出が増えており、夏場で需要が増加しているせいもあるが、産油国は少しでも収入が欲しいというのが本音であろう。

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さて今後の予想であるが、二つ動向が気にかかる。一つは、ドル安は反発しないのかという点と、もう一つはNYダウ平均はいつまで高値を保つのだろうという点である。
先週末の雇用統計が予想以上に好調だったため、また米国連邦準備制度理事会は9月頃からバランスシートの調整に入り、利上げは急がないという態度に変わっていることから、8月4日ドルインデックスは92.75台から93.54まで約+0.8ポイント急騰した。あまりに売られ過ぎていたドルは反発する可能性がある。ドルが強くなれば金ばかりでなく、商品全体にとって価格下落要因となる。

ダウ平均株価は、トランプ大統領による減税やインフラ投資という公約がほぼ反故にされているのに、相変わらず強い。企業業績が良いという背景があるにせよ、過去最高値をここまで更新し続けていることに、リスクを感じない投資家は少ないだろう。
日本経済新聞はブラックマンデー当時との比較を行ったが、今のところそうした急落は見られていないが、だれかがそっと売り、それを見た人も密かに売るという連鎖がいつ起きないとも限らない。その根拠は世界最大の国家の責任者が17日間も休暇を取り政局は迷走しているためだ。何とか最初の半年を切り抜けたが、オバマケア法案の廃案が出来ないため財源がなく、何をするにもカネがない状態である。10月には債務超過問題が再び政府職員の給与支出の問題となって顕在化する。どこまで共和党がトランプ大統領を支えるかについては、かなり不透明と言わざるを得ない。
仮に大幅なダウ平均株価の下落があれば、金価格は上がるだろう。
逆に言えば、これまで+8%も上昇してきた金価格は、それほど強い背景がある訳ではないため、ドル高や緩やかな株価の修正となれば、それでも金を買う理由を見つけるのは難しいかもしれない。

ドル安と株高の反転に注意

最近の商品価格はドル安に助けられている。年初からドルインデックスは、約9.6%値下がりし、金はその間に9.3%上昇している。NY原油価格が50ドルを超えてきたのもドル安がその一つの要因と考えられる。ドル安は、米国連邦準備制度理事会が利上げを繰り下げ、またバランスシートの縮小を繰り上げようとしている動きに影響を受け、またトランプ政権の混迷に嫌気をさしている。米国財政は10月辺りに債務上限を突破する見通しであり、ムニューチン財務長官は米議会に休会前の上限引き上げ可決を要請している。だが議会はヘルスケア改革や減税問題で共和・民主の折り合いがつかないまま無駄な時間を浪費しており、疑惑が強まるロシアゲート問題も絡まって、Debt Ceilingはほとんど棚ざらしになっている。プリーバス首席補佐官が辞任。ティラーソン国務長官も辞任観測があり、政権内部での混乱が続いている。
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にもかかわらず米国株価は史上最高値を更新し続けている。その背景には企業業績の好転があるが、年初から9.3%の値上がりとなっており、そろそろ反落があってもおかしくない時期である。
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今後は二つのことが要警戒である。
一つはドルの下落が反発に転じること。ドル高になれば商品価格は下がる傾向となる。一方でダウ平均株価が急落すれば、その度合いや期間によるが、市場にサプライズがもたらされるようなことになれば、金高の要因となる。

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