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変わる世の中

    ようやく非常事態宣言が解除され、ホッとしているが、もう元には戻れないという漠然とした感覚もある。早くテニススクールが開校して欲しいという欲求と、図書館の開館を待ち望む自分と共に、毎日自転車で様々な公園まで足を延ばし、緑の木陰の下で携帯電話で囲碁を何局も打ち、コンビニで買ったお茶を飲む生活も懐かしく思えてならない。
何かが変わったような予感がする。息子たちは今日も自宅でテレビ会議を行っており、夕方になると友人どもとインターネット麻雀で嬌声を上げて騒いでいる。ネット居酒屋や宅配夕食も案外良いかもしれない。

    欧州では、人の交流がイタリアやスペインとの国境が封鎖されて二つの困った事象が起きているという。一つは日本同様観光収入の激減である。旅行・観光業はEUのGDPの9.5%を占めるという。2019年には、EU経済のGDP成長率+1.4%に対し、旅行・観光業のGDP成長率は+2.3%であり、新規雇用(5年平均)の4人に1人を生み出す成長産業でもある。6月からの本格的な夏の観光シーズンを迎えるにあたり、旅行・観光業の正常化への道筋を早くつけたいようだ。人の移動制限によって混乱しているのは旅行関連だけではない。短期移住労働者、特に季節労働者に大きく依存する農業部門も、収穫時期を迎えた農作物の収穫に十分な労働者を確保できないなどの問題に直面しているという。こうした産業はインターネットでは代替できない。

    さて、商品の目を転じると、コロナの一段落で、恐らくいずれ原油需要は元に戻るだろうと思われる。自動車での交通の抑制は米国市場ではすでにガソリン需要が底を打って回復過程にある。航空機燃料需要が回復するには、まだしばらく時間がかかると思わる。そもそも、海外への渡航需要自体が過去程ではなくなるかもしれない。これらはバーチャルでも十分代替できる歓楽ではなかろうか。
    飛行機にさんざん乗り過ぎて、もう乗りたくないという人もかなりいるのではなかろうか。そうなるとエネルギー需要そのものがかってほどの勢いは無くなるのかもしれない。

    要するに、今回の出来事を境に、時代は、バーチャルで取って替わられるものかどうかを一つの基準として世の中が変わるかもしれない。
    そうした意味では、金は永遠に不滅かもしれない。

ギャンの理論(その2:難平禁止)ーーギャンが難平を禁止にした理由

    ギャンはピラミッディングの逆の難平(なんぴん)を厳に戒めている。なぜなら、価格が下がって損をすると下がった価格で更に買い増し、倍の建玉にするという難平は、一度の取引で全財産を失う可能性のある取引であるからである。仮に価格が戻ったところで、損益はゼロになるだけである。損益ゼロのために全財産を掛けると言うのは投資としてナンセンスであるというものだ。また、収支がゼロに戻るまでに長い時間がかかり、大きな資金を凍結することになる。投資機会の逸失は、損失が元に戻った程度では取返しがつかない。かつ資金が続かなくなって途中であきらめる必要があった場合は悲惨な結果となる。
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    セミナーを行っていると投資家で「大損をしているが、どうしたら良いだろうか」という相談を受ける。申し訳ないが、手の施しようはないので、今すぐ損切りしなさいとアドバイスするしかできない。大損すること自体が投資家としては不向きな方であるので、投資はやめて預金していなさいということになる。少なくとも上記の三つのルール(5分の1ルール、休むも相場ルール、損切りルール)を守っていただければ商品先物取引を行って、なかなか儲からないという状況はあるとしても、大損したという結果にはならないと思う。

ギャンの理論(その1:ストップロス)

    ウィリアム・D・ギャンは最も大切なルールとして「ストップロス」を挙げている。ただ、彼の理論は奥が深い。商品先物取引で、例えば100万円を持っていて、投資をするとしよう。金価格が上がると思い、26万4千円の証拠金で金を1枚5,400円/圓杷磴辰燭箸垢襦このとき▲50円安の5,350円/圓妊好肇奪廛蹈垢了点擇蠻笋螢ーダーを入れる。ここまでは当たり前である。そうすれば寝ていても、▲5万円のロスで終わる。100万円持っていれば、20回連続で負けることができる。運が悪い場合は10回連続で負けることもあるだろう。だがそれでも50万円の資本は残っている。通常でも数万円の損益が毎日発生している。何もしないと、あっという間に100万円がなくなることは十分あり得る。

    もし価格が運よく上昇トレンドになった場合、ストップロスはさらに威力を発揮する。どうするかというと、5,350円で売り指値注文していたものを取り消して、今の価格から50円下がったところに入れ直すのである。たとえば、金価格が5,500円になって100円すなわち1枚当たり10万円の評価利益が出たとする。その場合は5,450円にストップロス注文を入れ直せば、最悪の場合でも5万円の利益は確保される。よく『利益が出ても放っておいたら損になってしまった。あのときプロフィットテイクをすれば良かった』と嘆く人が多いが、価格がどうなるかは神のみぞ知るである。だから、損はしないように、常に体制を整えておくことが肝心である。

四つのリスクマネージメント(その5:損切ルール)

    損切りをする理由の三つ目は、最も大切な理由であるが、看過されがちである。投資とは、たまに当てて大儲けするのがコツである。たまに大儲けをするためには、釣りでコマセを撒いて魚を寄せ集めるように、小さな損失で大きな収益の糸口をつかむ必要がある。損切りはそれを実現する唯一の方法である。囲碁で勝つための手段で石を効率よく捨てると言う技術があるが、それと同じである。あまりに大きな石を捨ててしまった場合は勝負に勝てない。

    平凡な投資家は利益が出ると無作為に利益を出す。『もういいだろう』と感覚にまかせて利益を確保しがちである。これが凡人の投資家が、大金持ちになれない最大の理由である。損失は小さく何度もする代わりに一度ですべての損失を補ってあまりある利益を取らねばならない。そのためには闇雲に利益を出してはならない。年に一度か二度ある上昇トレンドは、何度も下押ししながら階段状に上昇していく。利益が出始めたら、損切り価格を上に移動させる。現在の儲けから一定額下の利益が出る価格に、こまめに修正していくのだ。こうすれば、トイレに行っている間に価格が急落しても、一定の利益は確保できる。出ていた利益が損失に変わったというミゼラブルな局面は避けられる。以上はギャンの理論であるが、もう少し詳しく解説する。

四つの大切なリスクマネージメント(その4:損切ルール◆

    損切りをする理由の二つ目は、投資家は常に市場を観ている必要がある。目を離した時間が長ければ長いほど、大損する確率は高くなる。ファンドマネジャーを募集する際に面接試験の目安となっているのは、『最大ドローダウン』という尺度である。応募してくる人は必ず過去のトラックレコードが優秀であったことを証明する取引実績表を持参する。それを見て、一度でも大きな損失を出している人は採用されない。大きな損失を一度でも出しては投資家として失格だからである。

    少額ならば、損失はいくら出しても良い。大きな損失を出さないためには、常に市場に張り付いていなければならない。現実的にはそれは不可能である。トイレに行ったり、夜は眠らねばならないが、市場は世界中で24時間稼働している。商社の場合、東京・ニューヨーク・ロンドンの三ヶ所で市場を24時間をカバーして、それぞれの市場に担当者が常時市場に対応しているが、そうするためにはかなりコストがかかる。個人投資家にはできない相談であろう。投資家がトイレに行くことができ、安心して眠ることができるのは、損切り注文を行っているためである。

四つのリスクマネージメント(その3:損切ルール)

    三つ目のルールは最も大切なルールであり、ご存知の損切(損切ルール)である。投資家が必ず損切りをしなくてはいけない理由は三つある。

    損切りをする理由の一つ目は、投資とは、小さく何度も損失を出す代わりに一度の大きな利益を採ることを目標とする。確率は価格が上がるか下がるかの二者択一だとしても、それを当て続ける確率は5割に収斂し、取引手数料だけ損失となるのが原理である。グラフのように、損切りすれば、長期間投資した場合、損切りして損失が無かった収益マイナス手数料分だけ利益が残るという原理である。損切りは守りの手段ではなく、積極的に収益を採りに行く方法である。
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    上のグラフのように、損失を一定の部分で切ってしまえば、5割の確率で出る利益の損切りした部分だけ利益になるという単純な計算である。この利益から手数料を差し引いた分が収益となり、損切りさえ行えばロボットでも利益を出すことが出来る。
    いくらで損切りするかは、投資する資金力によって異なり、ボラティリティーの高い市場である場合とそうでない場合、ボラティリティーの高い時期とそうでない時期で損切りラインは変えても良いが、そうしたことは、恣意的になりやすいので、一度いくらあるいは何%損失が出たら必ず損切りするというルールを作り、そのルールは行ってしまった取引に対しては絶対に換えてはならないということである。もう少し我慢しようという精神論は投資の世界には無用である。

四つのリスクマネージメント(その2:休むも相場ルール)

    二番目のルールはいつも取引を行わないということ(休むも相場ルール)である。

    どんな投資でもそうであるが、先行きの見通しがあって初めて、投資を行うのが鉄則である。目を瞑って投資するとしたら、それはギャンブルに等しい。投資とギャンブルの違いは、ギャンブルは全く予想できない一か八かの賭けであるが、投資は、将来の価格の展開を予測する材料があり、予測に基づいて行うものである。

    投資した商品の価格が上がると思ったときだけ買い、下がると思ったときだけ売る。休むも相場という言葉があるが、価格に大きなトレンドが出るのは年に1〜2度である。それぞれの商品によって価格変動要因は異なるが、価格が横ばいになっていることも常時ある。資産が大きく殖えるには、価格が大きく動く千載一遇のチャンスを待つ必要があり、常時取引してはいけない。

    株式市場は新型コロナウィルスの世界的な蔓延を恐れて、急落した。このことを事前に予想することは難しかったであろう。株価がどこまで下がるかは今のところ見通し難であるが、どこまでも下がることはあり得ない。現在の投資のチャンスは、株価を安値で拾うこと、或いは高値で金を売ることであろう。そのタイミングは難しいが、かなり確度の高い投資となるだろう。なぜなら、こうした価格のスパイクは必ず元に戻るという過去の法則があるからだ。ただ、そのタイミングを測るのは至難の業なので、コマセを撒くように、何度か当たりを試すしかないだろう。少ない資金の場合は小さく取引することである。そして3番目のルールである損切りは必ず入れる必要がある。

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