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粗糖の上値追いは危険

  • 2009-12-14 (Mon)18:54
  • 大場良博
  • 粗糖
世界最大の砂糖生産国であるブラジルの輸出意欲が強い。

ブラジル貿易局の報告によると、11月の砂糖輸出量は247万7,900トンであった。
これは前月比では10.0%増、前年同月比では26.8%増であり、
11月としては過去最高の記録である。
また、ブラジル統計局(IBGE)が8日に発表した国内主要農作物月次報告によると、
2009年サトウキビ生産量は前年比6.98%増の6億9425万3500トンと予想されている。
ブラジルの通貨レアルが対米ドルで上昇していることから
生産者からの売り控えが懸念されているが、
ICE粗糖相場が依然として高い水準にとどまっていることから、
現金化を売り急ぐ農家が増える可能性もある。

収穫は通常11月から12月初めに始まり、翌年4月まで続くが、
今年は降雨の影響もあってスタート時は低調だったものの、
1−2月には通常通りのペースに戻る見通しだという。
今後、ブラジルのサトウキビ収穫がピーク(1〜2月)を迎えるにつれ、
生産者からの売り圧力が重石になるだろう。

なお、今年ICE粗糖相場が大きく上昇した最大の原因は、
世界最大の砂糖消費国であるインドが不作に伴い輸入量を急拡大させたことである。
しかし、インド政府によると、同国内の砂糖不足は2010-11年度には解消する見通しで、
その後は順調にいけば世界第2の生産国として復帰すると予想されている

12月9日以降 ICE粗糖相場は再び上昇しているものの、
恐らく9月1日の上値(24.85セント)を抜くことはないだろう。

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