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大豆は豊作なのになぜ値崩れしないのか?

  • 2009-12-07 (Mon)19:29
  • 大場良博
  • 大豆
シカゴ大豆相場は11月中旬以降、上昇傾向にある。
2009-10年度は主要生産国である米国、ブラジル、アルゼンチンが
過去最高の豊作になると予想されているため、世界的に供給不安がなく、
本来であれば相場が下落に転じてもおかしくない。
しかし、今年は11月12日に米国産トウモロコシの一部で
カビから発生する毒素のボミトキシンが検出され、
代替飼料の大豆ミールが上昇していることや、
米国産大豆の輸出が中国向け中心に好調なことが下値を支えている。

10日(現地時間)には米農務省から12月の需給報告が発表されるが、
米国産については、中国が輸入を増やしていることから、
輸出需要が上方修正される可能性が強いと見られている。
なお、直近3週間の米大豆の週間輸出成約高を見ると、
平均約84万8500トンとなっている。
10月29日までの6週平均は約44万6,900トンであることから、
最近の増加傾向が著しいことがわかる。

中国税関総局が23日に発表した報告によると、
10月の大豆輸入は前年同月比18.46%増251万9,233トンだった。
ピーク時の6月(470万5,254トン)から4カ月連続で減少し、
1年ぶりの低水準となっている。ただ、中国商務省によると、
11月の輸入量は280万トンと持ち直すことが予想されている。
また、年初から10月までの累計は3,488万2,338トンとなっており、
前年同時期に比べると13.18%上回っている。

世界第2位の大豆輸出国であるブラジルの輸出が活発化するのは通常
収穫が終わる2〜5月にかけてであるため、
12〜3月の間は米国産に頼らざるを得ない。
しかも、ブラジルが無事に豊作になったとしても、
今年はブラジルの通貨レアルが対米ドルに対して上昇基調にあることから、
収入の売り控えを嫌気する輸出業者が今後増える可能性がある。
ブラジル貿易局(SECEX)の月次報告によると、
同国の10月の大豆輸出量は72万2,700トンであった。
毎年10月〜2月は輸出量が特に減少する傾向があるが、
前年同月と比較しても31.9%少ない。
なお、ブラジルの植物油産業協会(Abiove)によると、
2010-11年度(10年2月〜11年1月)の同国大豆輸出は
過去最高水準の今年度から7%減少すると予想されている。

米金融大手ゴールドマン・サックスは3日、3、6カ月後のシカゴ大豆相場見通しを
これまでの10.00ドルから10.50ドルにそれぞれ上方修正している。
10日の需給報告が予想通りになるとすれば、
当面、高値圏での推移が続くものと思われる。

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