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米国の収穫遅れ vs 南米の豊作予想

  • 2009-10-26 (Mon)17:01
  • 大場良博
  • 大豆
シカゴ大豆相場は1,000セントを挟んでの推移が続いています。

世界最大の大豆生産国である米国の2009-10年度の生産量は
32億5,000万ブッシェルと史上最高の豊作が予想されているものの、
今月上旬から続いている中西部での降雨による収穫作業の遅れや
降霜による単収(1エーカーあたりの収量)低下の懸念が
下値を支える要因となっています。

なお、米国農務省から毎週月曜日に発表されている報告書「Crop Progress」によると、
10月19日時点の収穫率は30%に留まっており、
過去5年間平均の72%、前年同時期の64%をともに大きく下回っています。
作柄は「良」〜「優」の合計が65%と前週に続いて高水準を維持していますが、
10月後半を迎えているだけに、これ以上収穫が遅れるようであれば、
降霜による被害を受ける可能性が高まることになりそうです。

米国の気象予報会社DTNメテオロジクスによると、
今週はより多雨と低温になると予想されているため、
しばらくは産地の天候状況に左右される展開が続きそうです。

ただ、全く下げ要因が無いわけではありません。
現在 南米ブラジル、アルゼンチンで作付けが開始されていますが、
特にブラジルで過去最高の豊作になると予想されていることが
今後 相場の圧迫材料になりそうです。
ちなみに、ブラジルの穀物調査会社サフラスによると、
2009-10年度の作付面積は 前年度比80万ヘクタール増の2,260万ha、
生産高は 前年度比690万トン増の6,420万トンになると予想されています。
採算性の向上を背景に、作付けをトウモロコシから
大きくシフトする農家が増えると見られていることが背景にあります。
また、アルゼンチンのブエノスアイレス穀物取引所も、
同国の大豆作付面積を1,900万haとし、過去最高を7%上回る見通しを発表しています。

2008-09年度は両国ともに生育期に干ばつに見舞われ、
結果として生産高が予想を大きく下回ったたことを考慮すると、
現在の2009-10年度の豊作はまだ 皮算用に過ぎませんが、
仮に順調に生育が進んだ場合は、南米産が市場に出回るようになる来年3月から
世界の大豆供給量が急増することが考えられるため、
相場の下げ足が速まるものと思われます。

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