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商品価格は一段落

NY金価格は10月14日の1072ドルを頂点に、1035.4ドルまで下落し、プラチナ価格は10月23日の1368.4ドルから1312.7ドルまで下落している。これらはいずれも買われ過ぎの調整であろう。10月20日時点の金のファンドのネット建て玉は、28万枚弱と、史上最高に近くなっている。過去のグラフで見ると、建て玉が積み上がった後で調整安が生じている傾向見て取れる。特に今週は11月3日から開催される米連邦準備制度理事会(FRB)の公開市場委員会(FOMC)の行方が気になるところであり、これまで一方的に安くなっていたドルも世界的に買い戻されている。今回のFOMCでは利上げは無いと思われるが、それでも理事や連銀総裁の中には、利上げ派の強気の発言が報じられており、議事録等で利上げに対するプレッシャーが感じられればドルキャリートレードなどは利上げを見込んで慎重になるだろう。
NYプラチナ価格は金価格に追随している。10月だけを取って観ると、金よりもユーロや株価との相関性が高まっており、面白いことに、NYプラチナとシカゴコーンの相関係数が0.93と非常に高い正の相関となっている。ことほど左様にプラチナ独自の価格の動きというよりは、商品全体が買われている。2009年1月5日を100とした場合の価格上昇率はプラチナは、原油に次いで高い。10月の27日NY原油が163.0、NYプラチナが137.1で、NY金は120.7である。プラチナ鉱山は需要減退のため減産気味で、労使交渉は10月23日時点では世界第三位のLONMINだけが交渉中である。南アの景気が悪いのでストライキに入るとは思えない。プラチナの需要では、ディーゼルハイブリッド車が売れるかどうかである。フォルクスワーゲンは昨年にすでにサンヨー電機のバッテリーを使ってディーゼルハイブリッド車を発売している。BMWは時速250km出て、燃費効率が31.9km、百メートル走者ウサインボルトの異名を冠したスポーツカーをフランクフルト自動車ショーに出品している。まだまだ、世界はガソリンハイブリッド車が席巻したわけではないようだ。欧州では2000年から軽油に対する課税が引き下げられ、ディーゼル車の開発が進んでいる。ガソリンに比べて二酸化炭素の発生が少ないディーゼル車はスス(パーティクルマテリアル:PM)が発生し、NOxが出るので、プラチナ触媒が必要とされている。ガソリン車がパラジウムに変わってしまった今、プラチナ需要はクリーンディーゼル車やディーゼルハイブリッド車が中国他で売れるかどうかにかかっているが、今のところ決着は未だ先のようだ。

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