- 2019-03-20 (Wed)13:36
- 近藤雅世
- マーケット全般
『市場内部要因分析』
価格を予測する方法には『ファンダメンタル分析』『テクニカル分析』と共に『市場の内部要因分析』がある。
市場は売りと買いが一致する勢力図で価格が決まっている。昔あったゴムの立ち合い場では、演壇に立った取引所の職員が、階段状の机に座った取引員の代表者が手を振る数を数えて売りと買いの手が揃ったところで価格を決めていた。現在はそれをコンピューターシステムの中で行っているが、メカニズムは同じであり、売り買い同数の価格を現在の価格と認識する。ザラバであれば、一刻一刻その価格は動いていく。ザラバとは取引所での競(せり)売買により値段を決定(約定)する方法の一つで、多数の売り方と買い方が値段を競い合い、値段と数量が合致したものを個別に成立させる方法のことを言う。ザラバ仕法は一定の取引時間内に出された注文を「価格優先・時間優先の原則」にしたがって順次(連続)に約定させていく。売り買いの差は成り行き注文が埋めていく。
市場内部要因とは、誰が何枚の買いを出し、誰が何枚の売りを出しているかという市場参加者の顔ぶれとその動きを追うものだが、残念ながらすべてがコンピューターで行われている現行の取引では、臨場感のある売買動向はわからない。また東京商品取引所では個々の取引員の売買状況を公表しておらず、取引終了後に公表する上位10社の売買高程度しか情報はない。
米国ではCommodity Futures Trading Commisionが毎週金曜日午後3時半に公表するCommitments of Traders(COT)Reportsというものが週一回日本時間では土曜日の朝に最新のものを見ることが出来る。最新と言ってもその週の火曜日のトレーダーの売買ポジションがわかるだけであるが、後付けで大口トレーダーが何をどれだけ売買しているかを数値的に見ることができる。これを筆者はファンドの建玉と呼んでいる。これらのデータはFCM(先物取引業者)、クリアリングメンバー、外国のブローカー及び取引所が寄せられており、取引者のカテゴリーごとに分けてその建玉(Open Interest)、買い残、売り残が公表されている。カテゴリーは数種類に分かれており、先物とオプション、指数取引の分類があり、筆者はFutures and Options Combined Reportを集計している。一枚のエクセルのシートだけで、256の市場が書いてあり、商品から金融商品、為替等の市場がある。また、取引者のカテゴリーはNon Commercial(当業者以外)とCommercial(当業者)がある。筆者は26市場のNon Commercialを毎週土曜日の朝集計している。
金や原油、穀物等の商品ごとのレポートにはできるだけ最新のファンドの建玉の動きを記し、火曜日発行の週刊経済指標には、26市場の過去2ヵ月ほどのネット買い残の動きを表にして記しているが、これらはすべて過去のデータであり、最新の数値でもすでに1週間以上は経過している。その間に価格が乱高下すれば、ファンドのポジションは当然大きく変わっているはずで、その結果は翌週にしかわからない。従って、多くのファンダメンタル情報同様、データは過去のものであって未来を予測するものではない。過去の相場を語ることはできても、未来を予測するには正に想像するしかない。
ファンドの建玉を使って価格の予想が良く当たるのは過去最大の買い残とか、過去最大の売り残を記録している時である。そうした行き過ぎが修正されるのは相場の常である。
買い残が積みあがっていれば価格は下がりやすいが、明日下がるという保証ではないが近い将来価格は反転するだろうと言う程度の予測は言えるだろう。だが、過去最大は次々と更新することもあり、また過去最大が現れるのはかなり異常な時であり、めったにお目にかかれるものではない。
価格を予測する方法には『ファンダメンタル分析』『テクニカル分析』と共に『市場の内部要因分析』がある。
市場は売りと買いが一致する勢力図で価格が決まっている。昔あったゴムの立ち合い場では、演壇に立った取引所の職員が、階段状の机に座った取引員の代表者が手を振る数を数えて売りと買いの手が揃ったところで価格を決めていた。現在はそれをコンピューターシステムの中で行っているが、メカニズムは同じであり、売り買い同数の価格を現在の価格と認識する。ザラバであれば、一刻一刻その価格は動いていく。ザラバとは取引所での競(せり)売買により値段を決定(約定)する方法の一つで、多数の売り方と買い方が値段を競い合い、値段と数量が合致したものを個別に成立させる方法のことを言う。ザラバ仕法は一定の取引時間内に出された注文を「価格優先・時間優先の原則」にしたがって順次(連続)に約定させていく。売り買いの差は成り行き注文が埋めていく。
市場内部要因とは、誰が何枚の買いを出し、誰が何枚の売りを出しているかという市場参加者の顔ぶれとその動きを追うものだが、残念ながらすべてがコンピューターで行われている現行の取引では、臨場感のある売買動向はわからない。また東京商品取引所では個々の取引員の売買状況を公表しておらず、取引終了後に公表する上位10社の売買高程度しか情報はない。
米国ではCommodity Futures Trading Commisionが毎週金曜日午後3時半に公表するCommitments of Traders(COT)Reportsというものが週一回日本時間では土曜日の朝に最新のものを見ることが出来る。最新と言ってもその週の火曜日のトレーダーの売買ポジションがわかるだけであるが、後付けで大口トレーダーが何をどれだけ売買しているかを数値的に見ることができる。これを筆者はファンドの建玉と呼んでいる。これらのデータはFCM(先物取引業者)、クリアリングメンバー、外国のブローカー及び取引所が寄せられており、取引者のカテゴリーごとに分けてその建玉(Open Interest)、買い残、売り残が公表されている。カテゴリーは数種類に分かれており、先物とオプション、指数取引の分類があり、筆者はFutures and Options Combined Reportを集計している。一枚のエクセルのシートだけで、256の市場が書いてあり、商品から金融商品、為替等の市場がある。また、取引者のカテゴリーはNon Commercial(当業者以外)とCommercial(当業者)がある。筆者は26市場のNon Commercialを毎週土曜日の朝集計している。
金や原油、穀物等の商品ごとのレポートにはできるだけ最新のファンドの建玉の動きを記し、火曜日発行の週刊経済指標には、26市場の過去2ヵ月ほどのネット買い残の動きを表にして記しているが、これらはすべて過去のデータであり、最新の数値でもすでに1週間以上は経過している。その間に価格が乱高下すれば、ファンドのポジションは当然大きく変わっているはずで、その結果は翌週にしかわからない。従って、多くのファンダメンタル情報同様、データは過去のものであって未来を予測するものではない。過去の相場を語ることはできても、未来を予測するには正に想像するしかない。
ファンドの建玉を使って価格の予想が良く当たるのは過去最大の買い残とか、過去最大の売り残を記録している時である。そうした行き過ぎが修正されるのは相場の常である。
買い残が積みあがっていれば価格は下がりやすいが、明日下がるという保証ではないが近い将来価格は反転するだろうと言う程度の予測は言えるだろう。だが、過去最大は次々と更新することもあり、また過去最大が現れるのはかなり異常な時であり、めったにお目にかかれるものではない。
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