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市場とは何か その9

物を生産して販売する事業者は、販売価格を自社に有利にしようというのは当然の行為である。その昔は、生産者価格(Producer Price:PP)というものがあった。生産者は毎月共同で生産者価格を公表する。それがその一カ月間有効の販売価格となる。生産者が主導して公表する価格であるので、生産者は適正利潤と称する収益を確実に上げることができる。共産主義社会はそれを国家が計画経済の下で管理することを基本とするシステムである。どれだけの需要があるので、どれだけ生産すれば需給はバランスするはずだということを政府の官僚が考え、毎年の目標生産量を設定する。生産者は政府から与えられた生産目標を作るだけで事足りる。地方政府は、与えられた目標生産量を達成し、時には目標以上に生産することに血道を上げた。ある地方が与えられた目標以上の生産を達成したと中央における会議で声高らかに報告すると、その隣の地方は負けてはならじとそれ以上の生産を達成しようとし、中には達成したという数字だけが独り歩きすることもあった。中央の官僚が計画するのは数量のみであって、基準を定めることが難しい品質ではなく、個数や量目の達成度が重視された。またその生産方法を改善しても、量が増加しなければ成果とはならなかった。その結果として、品質や効率という重要な生産要素が置き去りにされた。そのために何でも良いから作ればいいというノルマ達成が主体となった。
余談だが、筆者は最近サッカーWorld Cupの会場となったロストフ・ナ・ドヌというモスクワから国内線のアエロフロートで南に下った地に、ソ連邦が崩壊してロシアになってから訪問したことがある。旧ソ連邦の軍需工場で特別な技術でイリジウムの坩堝を作っているというのでメーカーの技術者と二人でその技術を買いに出かけたのである。そこで会った工場長と夕食を共にすると、工場長がノスタルジックに述べた言葉が思い出深い。彼は「ソ連の時代は良かった。パンは並んでさえいればもらえたし、教育や医療は全て無料だった。ところがどうだ、今や働かなくては食べることができない」と嘆いていたのだ。筆者は、ああそうした良き思い出も共産主義時代にはあったのかと驚かされた。
私たちが生きているこの資本主義の世の中は、競争原理の社会である。子供のころから良い教育を受けるために熟に通い、良い大学を出て大手企業に就職して良い給料をもらうというのが目標であった。共産主義社会なら、働いても働かなくても給与は同じで、ただ並んでいれば人並みの生活ができるというのは一つの理想かもしれない。ちなみに、モスクワからロストフ・ナ・ドヌ(ドナウ川のほとりという意味)に行く飛行機にはシートベルトが無かった。モスクワの国内線ターミナルでは、チケットに座席表示が無く、改札を通ると乗客は我先に走り出し、飛行機のタラップは奪い合いだった。事情を知らなかった我々日本人2人はのんびりと飛行機に乗ると空いている座席にはシートベルトがついていなかった。
さて、話を元に戻すと、資本主義社会は市場で管理されている。その市場の原理は自由競争主義である。市場における競争原理を平等に行わない場合は独占禁止法等によって処罰を受けることになっている。

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