- 2018-04-25 (Wed)09:59
- 近藤雅世
- マーケット全般
昨日の株式会社コモディティーインテリジェンスの週刊ゴールドと本日の週刊経済指標に書いたことであるが、米国の財政赤字が1兆ドルに達しようとしている。オバマ大統領は、政府支出をできるだけ抑えて1998会計年度から2001会計年度までは財政黒字だった。主要国の中ではそれなりに優等生だったはずの米国が今、財政面でも信用を失おうとしている。トランプ政権が財源を無視して昨年末選挙民狙いの減税政策を実施したためだ。オバマケアを廃案にして財源を確保すると言う予定だったが、減税のみが独り歩きしている。米議会予算局(CBO)による4月の試算では、2018会計年度の財政赤字は8,040億ドルと、昨年6月時点の予想5,630億ドルより大幅に拡大する見通しだ。2019会計年度の財政赤字見通しも6,890億ドルから9,810億ドルに拡大。IMFによれば、今後3年間で全体の赤字額がGDPの5%を超える1兆ドル超に増加することになるという。公的債務の増加傾向に拍車がかかり、2023年には対GDP比117%に膨らむだろう。IMFは、すでに経済活動が好転しつつある時期には、景気に不必要な刺激を与えるような財政政策を避けるように政策担当者に提言している。それよりも、大半の先進国、新興市場国と低所得途上国においては、自国の財政計画を完遂して赤字と債務を減少軌道にしっかりと乗せることの方が大事だという。また、生産性を向上させ、人的資本や物的資本を促進するような財政改革を実施する必要があるとのことである。
ドルインデックスが今後どのように動くのかは、ドル円の動きと共に気になるところである。金価格は明らかにドルと反比例している。東京金価格は円安ならドル建てより高くなっていることは2014年以来の東京金価格が証明済みである。
一方、減税効果により米国の金融機関や石油企業の業績は好転しており、今後の米国株価上昇の背景ともなるだろう。IMFは今年と来年の景気はまだ上向きだが、再来年以降は景気は下降し始めると述べている。長い好況の最後の一瞬を味わうのかもしれない。その後の景気後退はどんなことになるだろうか。
減税により企業業績が上向いた米国の石油企業は、30ドル程度に原油価格が下がっても黒字を維持できる体質になったという。70ドル近くなら大幅な黒字であろう。おそらく、米国石油企業は焦って原油を掘る必要はないものと思われ、原油生産量は需要に対応する程度で伸びていくであろう。中近東の原油の重要な顧客であった東アジアの需要増は、米国、北海油田とロシアやカザフスタンを含んだ欧州、それに中近東諸国の間で熾烈な競争が展開されるものと思われる。米国からの輸送が効率化すれば、かなりのシェアは中近東から米国に移ると思われる。
ドルインデックスが今後どのように動くのかは、ドル円の動きと共に気になるところである。金価格は明らかにドルと反比例している。東京金価格は円安ならドル建てより高くなっていることは2014年以来の東京金価格が証明済みである。
一方、減税効果により米国の金融機関や石油企業の業績は好転しており、今後の米国株価上昇の背景ともなるだろう。IMFは今年と来年の景気はまだ上向きだが、再来年以降は景気は下降し始めると述べている。長い好況の最後の一瞬を味わうのかもしれない。その後の景気後退はどんなことになるだろうか。
減税により企業業績が上向いた米国の石油企業は、30ドル程度に原油価格が下がっても黒字を維持できる体質になったという。70ドル近くなら大幅な黒字であろう。おそらく、米国石油企業は焦って原油を掘る必要はないものと思われ、原油生産量は需要に対応する程度で伸びていくであろう。中近東の原油の重要な顧客であった東アジアの需要増は、米国、北海油田とロシアやカザフスタンを含んだ欧州、それに中近東諸国の間で熾烈な競争が展開されるものと思われる。米国からの輸送が効率化すれば、かなりのシェアは中近東から米国に移ると思われる。