- 2011-10-24 (Mon)19:20
- 近藤雅世
- 経済動向
23日の欧州首脳会議では、結論が26日に先送りされた。ドイツの連邦憲法裁判所
が、ユーロに参加する他国への金融支援について「今後は1件ごとに連邦議会
(下院)の委員会の承認を得る必要がある」との見解を示したためだ。各国政府
は、自国の了解を得る作業が必要となっている。
ギリシャ救済策は、ギリシャの債務の半分程度を民間が負担し、銀行が資金不足
に陥った場合はまず自力で次いで、各国政府の支援で、最後にEFSF(欧州金
融安定化資金)で金融機関の自本増強を図るというもの。
しかし、これにはまだ具体的課題が山積している。民間負担を現在の21%から50
%ないしは60%にするということに対して、ギリシャ国債の保有者は難色を示し
ている。あくまでボランタリーにということであるため、21%の負担ですら当初
予定の9割の金融機関の参加が7割しか満たされておらず、50%とか60%の債務カ
ットになれば更に不協和音が出るだろう。落とし所の債務カット率はは40%前後
となるかもしれない。
また民間金融機関は国有化されることを嫌っており、腰が引けている。そうした
金融機関を無理やり参加させる必要がある。狭義の中核的自己資本比率は9%を
合否の基準に設定、2012年6月を増強の期限とする方向である。
Moody’sは、フランスが財政・経済改革を進めることに躊躇するなら、Aaaの格
付けを3ヵ月以内にNegative に引き下げる可能性があると発表。フランスの格付
けが下がれば総額4400億ユーロのEFSFは利用できる金額が少なくなる恐れがある。
ギリシャでもゼネストがおこなわれているが、ポルトガルでも大規模なゼネスト
が行われたり計画されている。同国では2012年の緊縮型予算案では2.8%のマイ
ナス成長の見通しとなっており、失業率も13.4%に上昇する見込みとなっている。
同国の労組は緊縮財政案に反対して11月にゼネストを行うよう呼び掛けている。
仮に、銀行の自己資本が政府の出資などにより強化され、金融不安が収まったと
しても、欧州の不況は長引く様相を呈している。それは中国など新興諸国の輸出
を低迷させ、世界的な規模で景気の悪化を招くだろう。
商品にとっては、景気良く上がるという見通しは立てにくく、金ですら、当分低
迷するのではないだろうか。
が、ユーロに参加する他国への金融支援について「今後は1件ごとに連邦議会
(下院)の委員会の承認を得る必要がある」との見解を示したためだ。各国政府
は、自国の了解を得る作業が必要となっている。
ギリシャ救済策は、ギリシャの債務の半分程度を民間が負担し、銀行が資金不足
に陥った場合はまず自力で次いで、各国政府の支援で、最後にEFSF(欧州金
融安定化資金)で金融機関の自本増強を図るというもの。
しかし、これにはまだ具体的課題が山積している。民間負担を現在の21%から50
%ないしは60%にするということに対して、ギリシャ国債の保有者は難色を示し
ている。あくまでボランタリーにということであるため、21%の負担ですら当初
予定の9割の金融機関の参加が7割しか満たされておらず、50%とか60%の債務カ
ットになれば更に不協和音が出るだろう。落とし所の債務カット率はは40%前後
となるかもしれない。
また民間金融機関は国有化されることを嫌っており、腰が引けている。そうした
金融機関を無理やり参加させる必要がある。狭義の中核的自己資本比率は9%を
合否の基準に設定、2012年6月を増強の期限とする方向である。
Moody’sは、フランスが財政・経済改革を進めることに躊躇するなら、Aaaの格
付けを3ヵ月以内にNegative に引き下げる可能性があると発表。フランスの格付
けが下がれば総額4400億ユーロのEFSFは利用できる金額が少なくなる恐れがある。
ギリシャでもゼネストがおこなわれているが、ポルトガルでも大規模なゼネスト
が行われたり計画されている。同国では2012年の緊縮型予算案では2.8%のマイ
ナス成長の見通しとなっており、失業率も13.4%に上昇する見込みとなっている。
同国の労組は緊縮財政案に反対して11月にゼネストを行うよう呼び掛けている。
仮に、銀行の自己資本が政府の出資などにより強化され、金融不安が収まったと
しても、欧州の不況は長引く様相を呈している。それは中国など新興諸国の輸出
を低迷させ、世界的な規模で景気の悪化を招くだろう。
商品にとっては、景気良く上がるという見通しは立てにくく、金ですら、当分低
迷するのではないだろうか。
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