- 2010-03-03 (Wed)18:25
- 近藤雅世
- 金
金価格は上がると思っていたら、昨日19ドルも上がってしまった。しかし、中長期的にはもっと上がると思い始めている。先週半ばまでは金価格は横ばいだと思っていた。しかし、ユーロ圏のソブリンリスクが益々不透明となり、ギリシャが4月〜5月にかけて発生する250億ユーロ約3兆円の国債の償還が危うくなっている。EU理事会からは、ギリシャに対してしっかりやりなさいという掛け声ばかりで、ギリシャに資金提供しようとする国は現われていない。また、ギリシャ国内ではゼネストである。本当に増税や公務員給与のカットができるのか怪しい。(続く)
ドイツがKfw Groupを通じてギリシャ国際を購入するという噂も流れたが、ドイツで最大の発行部数を誇るビルト紙電子版が1日約7万3000人の読者を対象に行った最新の世論調査によると、ギリシャ救済に反対するのは5人のうち4人に上り、ギリシャがデフォルト(債務不履行)に陥ればユーロ圏にマイナスとなるとして賛成と答えた者は20%前後にとどまった。こうした圧倒的な反対の声を受けて、メルケル首相は、ギリシャが大胆な財政改革を実施することが重要と強調するばかりで、ギリシャ国債の買い取りや保証といった救済計画には踏み込もうとしない。ドイツは、同国自身が財政緊縮化に着手しようとしているだけに、ギリシャ支援に対する抵抗感も強くなる。同国は憲法で公的債務の上限を規定しており、それを満たすため来年から年間100億ユーロ(約1兆2000億円)の歳出カットを迫られる状況となっている。政治アナリストの間では、ドイツがギリシャ支援に乗り出せば、メルケル首相自身の将来が危うくなるのではとみられている。
3月中に資金を手当てできない場合、欧州の金融機関はギリシャ国債のデフォルトにより大きな損害を蒙る。金融不安は欧州だけでなく世界に広まるであろう。そうした不安心理は金価格を押し上げる。
欧州の問題にしても、中国の不動産バブル崩壊の恐れにしても、商品価格には二通りの反応があり得る。一つは、リスク資産からの資金の引き上げとなり、ドルキャリートレードや円キャリートレードの巻き戻しとなる動きである。これはドル高、円高を産み、商品一般を安くする。なぜなら商品に入っている資金は主に買いだから、資金を引き上げるときは売り手仕舞いとなる。
一方、通貨とか、究極の資産としての金については、原油などとは違った動きを採ることが考えられる。例えばユーロの値下がりにより、ユーロで抱えていた資産を他の資産に移すとする。しかし、ドル資産もドル安という不安があり、中国や新興国への投資は既に遅いと思うかもしれない。そうした投資家は取り敢えず金にしておこうという態度を採ることが考えられる。金は究極の安全資産である。従って、金価格はそうそう下がることは無いと思う。また下がったら買い時ではないだろうか。
3月中に資金を手当てできない場合、欧州の金融機関はギリシャ国債のデフォルトにより大きな損害を蒙る。金融不安は欧州だけでなく世界に広まるであろう。そうした不安心理は金価格を押し上げる。
欧州の問題にしても、中国の不動産バブル崩壊の恐れにしても、商品価格には二通りの反応があり得る。一つは、リスク資産からの資金の引き上げとなり、ドルキャリートレードや円キャリートレードの巻き戻しとなる動きである。これはドル高、円高を産み、商品一般を安くする。なぜなら商品に入っている資金は主に買いだから、資金を引き上げるときは売り手仕舞いとなる。
一方、通貨とか、究極の資産としての金については、原油などとは違った動きを採ることが考えられる。例えばユーロの値下がりにより、ユーロで抱えていた資産を他の資産に移すとする。しかし、ドル資産もドル安という不安があり、中国や新興国への投資は既に遅いと思うかもしれない。そうした投資家は取り敢えず金にしておこうという態度を採ることが考えられる。金は究極の安全資産である。従って、金価格はそうそう下がることは無いと思う。また下がったら買い時ではないだろうか。
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