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トウモロコシは3月末にかけて再び下落か

シカゴトウモロコシ相場は2月5日以降、上昇傾向にある。今年の大雪により、トウモロコシの主要産地が集中している米国中西部では依然として農地の広い範囲が雪に覆われており、今春の作付作業に影響が出るのではとの見方が買いを後押ししているようだ。ただ、昨年も作付け作業が大幅に遅れたわりには、最終的に生産高、単収ともに過去最高を更新するという結果になったことを考慮すると、現段階においてこれはあまり力強い材料とは言えない。

ちなみに、
米国農務省は先月18日〜19日に行われた農産物展望会議(アウトルック・フォーラム)において、2010-11年度の米国内のトウモロコシ生産高は過去最高の131億6,000万ブッシェルになるとの見通しを発表している。これは、前年度の131億5,100ブッシェルを僅かに上回る量である。今春の作付面積は前年度比2.89%増の8,900万エーカー、単収は前年度の165.2ブッシェルから160.9ブッシェルに低下すると予想されている。3月31日には米国農務省から2010-11年度の作付「意向」面積が発表されるが、既に冬小麦の作付面積が大幅に削減されたという事実を考えると、トウモロコシの作付面積の拡大はほぼ確実かと思われる。

南米の生産も順調に進んでいる。昨年度は1〜2月に干ばつに見舞われた影響から生産高が大幅に落ち込んだが、今年度は現在までのところ目立った被害は報告されていない。世界第2位のトウモロコシ供給国であるアルゼンチンのブエノスアイレス穀物取引所が2月25日に発表した週報によると、2009-10年度のトウモロコシ生産見通しは2,020万トンと予想されている。従来予想の1,930万トンだった。同取引所は、トウモロコシの生産予想を繰り返し上方修正してきたが、雨続きで生育環境が一層改善されていることから、新たに予想を修正したようだ。なお、米国農務省は先月9日の需給報告でアルゼンチンの2009-10年度の生産高を1720万トンと予想している。ブエノスアイレス穀物取引所の週報の内容が3月10日発表の米国農務省の需給報告にも反映されれば、シカゴトウモロコシ相場にとって新たな弱材料となるだろう。

上記のことを考慮すると、ここ最近のトウモロコシ上昇は、特に買い進まれるだけの強材料があるわけではなく、テクニカル(特にRSI)的に売られ過ぎのサインが出ていたことが主な要因かと思われる。今週10日には需給報告を控えているため、来週前半までは方向感のない展開となる可能性が高いが、その後はよほど好材料に恵まれない限り、失望売りが出るものと思われる。

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