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コーヒー独自の材料は依然として強い

インターコンチネンタル取引所(ICE)のコーヒー相場は再び調整安を強いられている。

しかし、コーヒー独自のファンダメンタルが弱気に転じたわけではない。
独商品調査会社F.O.リヒトが2月23日に発表した報告によると、2009-10年度の世界のコーヒー生産量は前年度の1億3,510万袋(1袋=60キロ)から1億2,470万袋に減少する一方で、需要は前年度比1.6%増の1億3,100万袋になると予想されている。在庫・需要比率は18.07%と、前年度の23.85%を下回る見込みだ。
一方、国際コーヒー機関(ICO)も2月8日に発表した月次市場報告で、2009-10年度の世界コーヒー生産量を1億2,356万4,000袋と前年比3.6%減と予想している。世界最大の生産国であるブラジルの生産量は同比で14%以上減少、この他主要生産国も減少見通しとなっており、インドネシア以外にほかの生産不振を補える国が見当たらないという。一方、世界の景気停滞の中でも消費量の増加が続くとし、需要は1億3,200万袋と予想されている。

ブラジルの減産のほかに相場を下支えしているのが、世界3位のコーヒー生産国であるコロンビアの生産動向だ。コロンビアのコーヒー生産者連盟(Fedecafe)は2月22日、2010年上半期のコーヒー生産高が前年同期比21.5%増の515万袋(1袋=60キロ)になるとの見通しを示した。同国は昨年、悪天候と老木植え替え作業のため、生産が過去30年で最低水準の780万袋に落ち込んだが、今回の増産見通しはこの反動によるものと思われる。
しかし、コロンビアコーヒー局(Fedecafe)が16日に発表した報告によると、1月のコーヒー輸出量は前年比38.2%減の53万6,000袋、生産量も同比41.2%減の51万5,000袋だった。これに加え、政府気象予報局は先週、3月と4月初旬の雨量は例年を下回る水準になる可能性があると発表している。コロンビアの乾季は通常第一四半期に到来するが、現時点まで2010年の乾季は例年を上回る気温となっている。予想どおり、今後も高温乾燥の天候が続いた場合、生産高が回復するのは6月以降になる可能性が高い。
上記のことを考慮すると、コロンビアの生産が本当に生産が回復に向かっているかどうかは見極めが難しい。独商品調査会社F.O.リヒトも23日の報告で「コロンビアの生産量は前年度に比べて一段と減少し、2010-11年度まで大幅には改善しないだろう」と述べている。

なお、コロンビア産のアラビカ豆に対するプレミアムは、ICEで取引が行われているアラビカ豆に対しこの一年で倍以上の上昇を示している。つまり、ICEの下落に関係なく、生産国の実勢価格は高い。一方、ICEによってモニタリングが行われているアラビカ豆在庫はここ7年来の低水準にある。2月26日現在のICEの認証在庫は277万0,961袋だった。

年間を通じた需給逼迫感からみると、現在の130セント近辺は下げ過ぎ感がある。世界的に需給が逼迫している状況に変わりがないだけに、ここまで値を下げてくると焙煎業者など実需筋が積極的に買いを入れて来る可能性が考えられる。当面は外部環境に左右され、不安定な相場展開が続きそうだが、中長期的には再び上昇基調を回復するものと思われる。

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