- 2009-11-18 (Wed)18:02
- 近藤雅世
- 経済動向
昨夜のロンドンプラチナディナーで公表されたジョンソンマッセーのプラチナ2009インターリムでは、向こう6ヶ月のプラチナ価格を1280ドルから1550ドルの間としている。このところ金価格の上昇に釣られて値上がっているNYプラチナ価格は昨日は1462ドルであった。同レポートによると、2009年のプラチナの供給は188.3トン、需要は184.0トン、需給は4.4トン供給過剰であるという。昨年が7.5トンの供給不足であったことが様変わりである。理由は自動車触媒需要が、昨年に比べて37.9トンも減少したためである。これは欧州での自動車販売減と、欧州市場で大型ディーゼル車よりも小型で廉価なガソリン車が売れたこと、ディーゼル車にもパラジウムが使われるようになっていることが理由という。しかし、自動車触媒が3分の1に減少した代わりに宝飾品需要が33.7トン増加した。
これはもっぱら中国における宝飾品需要と在庫積み増しが大きかったのと、日本のプラチナ宝飾品がスクラップの発生が少なくなったことから新地金の需要が増えたことが上げられる。もう一つ大きな需要は投資用で、19.6トンと昨年より2.3トン増加した。昨年は一昨年から12トンも増加しているが、これは日本におけるプラチナ地金需要が急増したからだった。今年は、欧州とくにスイスにおけるプラチナETFが売れたからだという。東京のプラチナETFの売れ行きは今ひとつだが、ニューヨーク市場に上場申請しているETFが期待されるという。その他工業品向けは非常に悪かったが、景気の回復とともにこれらの需要も復活することが期待されている。地域別需要ではこれまで欧州が半分近くを占めていたが、今年は宝飾品向けが多い中国が世界一のプラチナ需要国になるという。金がどんどん上がっているが、これはドル安が止まらないせいだと思われる。そろそろファンドが手仕舞う時期でもあるので、反落に要注意であるが、基本的にはドル安は収まらず、利上げは当分無いだろう。
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