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香港について(その8)

 みなさんは銀行が倒産して預金が無くなったという経験をお持ちの方はいらっしゃるであろうか? 日本でも1990年代の前半に銀行の貸し倒れ損失が増加し、90年代の後半には複数の大銀行が自己資本不足に陥った。そのため日本政府は大手銀行に対して資本注入し、自己資本不足の金融機関の営業継続を容認したが、大量の預金引き出しや山一証券のように、寄託有価証券の引出しという事態を招き、山一証券や三洋証券、北海道拓殖銀行は経営破綻し、長期信用銀行や日本債券信用銀行、第一勧業銀行、富士銀行、住友銀行、東海銀行、東京銀行、埼玉銀行等は合併により、みずほ銀行や三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、あおぞら銀行等に生まれ変わった。もはや以前のどこの銀行がどこになったのかわからなくなっている。1927年の昭和金融恐慌や、1973年の豊川信用金庫事件など、健全経営を行っていた銀行も、列車内で女学生が信用金庫など危ないわよと笑ってしゃべっていたことがきっかけで、取り付け騒ぎが起こって倒産している。
 さて、香港では筆者は実際に銀行が取り付け騒ぎに会って倒産した現場を見た。日本から来た顧客とマカオに渡るフェリー乗り場に行く途中、香港のセントラルに構える銀行店舗の前に長蛇の人の列が並んでいた。どうしたのだろうと、フェリーの中でテレビを見たら、その銀行が倒産したのだそうだ。名前を思い出せず、何度もネットで検索したがその情報は既に過去のものとなっておりどこにも名前は出ていなかった。この銀行は香港中に立派な支店を構え、英国風の名前で、余程詳しく調べなければバングラデシュの銀行であったことは誰も知らなかったであろう。銀行の経歴など、後になってからしかわからない。ちなみに、香港最大の不動産企業の信用調査を取り寄せた所、資本金は2ドル、当時の為替で34円であった。信用調査書には、ほとんど具体的な記載がない。それでもセントラル近辺のオフィス開発を行う三菱地所並みの大企業であった。
香港では一切が信じられないところから始まる。従って最も大切にされるのは信用である。ひとたび信用を失うと、香港のみならず華僑の世界では生きていけない。あいつはうそをつかず、約束は必ず守る男だという信用を勝ち取るまでは何年もかかり、一旦信用を勝ち取れば、後は面白いほど仕事が舞い込む。すべて口コミであり、記述された記録ではない。
倒産した銀行の話には後日談がある。香港では預金保険機構のような制度はなかったので(今もないと思うが)、銀行が破綻すれば文字通り一文の返金もないことになる。実際に、前回フェロシリコンを買った相手先に対して、中身が石ころだったので、香港の高等裁判所で訴訟して、毎月5万ドルずつ10回、合計50万ドルの支払いを受けるという和解契約を結んだ話をしたが、2回の支払いの後、相手先の企業は倒産した。慌ててオフィスを訪ねると、女社長がテーブルの上に100万米ドルの定期預金証書を見せてくれた。女社長はそれを指差し、「これパーなのよ」と、のたまった。確かに上記破綻銀行の預金証書であり、1億円以上の預金はゼロとなったのが現実であった。少しこの女社長に同情心が沸いて、別の会社名で同じ従業員が同じオフィスで働いていたが、東京の本店に対しては、相手先は倒産したと報告したものだ。香港では誰も守ってくれない。すべて自己責任の世界である。

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