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市場とは何か その11

先物取引を利用するのは何も投資家に限ったことではない。企業等の当業者も本来は先物取引を利用して価格変動リスクをヘッジしたり、時には企業業績を上げる方向に動かそうとする意図を見せることもある。価格を操作することは取引所法により制限がかけられている。フロントランニングや、風説の流布等は立派な違法行為である。しかし、ひそかにメーカー通しが売りを入れて価格を下げたり、逆に価格を引き上げるためにメーカーの息のかかったブローカーが買い占めることも十分考えられる。そして、こうした操作は傍から見ただけでは容易に見抜けない。
2014年に南アの鉱山会社で5カ月間にわたってストライキが発生したとき、プラチナ価格が下がったが、これは意図されたことではないとは私は思っていない。あくまで憶測であり証拠はないが、通常世界の7割の生産を占める鉱山会社すべてがストライキで5カ月もの間操業が止まったら、市場価格は上がらないはずがない。当時まことしやかにプラチナディーラーを駆け巡った噂は、世界にプラチナ在庫がたくさんあるということであった。しかし、プラチナ在庫というのは、スイスにロシアの在庫があったが、これは何年もの間絶対に数量は明かされることはなかった。私が担当していた頃はロシアの代表部の人間を温泉に誘って何度もそれとなく在庫量を聞いたことがあったが、それは社会主義時代に貯めたもので、門外不出の機密事項であり明かされることはなかった。当時は以前に比べて相当量減っているという噂があった。ロシアの在庫以外のプラチナ在庫というと自動車メーカーが保有している在庫であるが、通常自動車メーカーは不要な在庫を持つことはない。仮に少し多めに買っていたとしても、ストライキを見越して5か月分も保有するわけがない。さらに、こうした自動車各社の在庫は自動車メーカーの購買担当者ですら絶対に明かすことのない秘密事項である。ましてや外部の人間がその自動車メーカーが何トンのプラチナ在庫を持っているかなどということはわかるはずがない。ところが、当時のプラチナディーラー間では、世界のプラチナ在庫は多いということが信じられ、南アからの供給が止まったにもかかわらず、プラチナ価格は下がった。これ以上のことは私は門外漢なので言わないが、事実を確かめることのできない何等かの噂がプラチナ価格を下げたとしか言いようが無いと思っている。もし当時私がプラチナ鉱山のエージェントであったなら、プラチナ価格が下落したときに鉱山会社を回って私に数億円の資金を出させて、東京商品取引所で買い占めさせただろう。残念ながら私は蚊帳の外にいたため、そうしたアドバイスを鉱山会社に行う立場にはなかった。

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