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東南アジアで干ばつ

 東南アジアの干ばつはタイのコメ生産、ベトナムのコメやロブスタコーヒー生産、インドネシアのパームオイル生産に影響を与え、パームオイル価格は3月初めから中旬にかけて上昇し、それが大豆油価格の値上がりにつながり、大豆油は同じ期間に約10%上昇している。どちらも食用油つながりで、家庭の台所には常備されているサラダ油の原料である。大豆油の値上がりは大豆価格の上昇を誘い、大豆価格は同期間6%上昇している。3月31日に公表される米国の作付意向面積の影響を受けると思われるが、大豆の作付面積は前年度を割り込むとの予想があるため、すでに価格には強気で織り込まれている。ただ、需給見通しを変えてしまうほどの大幅な減少は見込まれていない。いずれにせよ今年の米国産穀物は今後の天候等の要因で大きく左右されるため現時点での価格予想は賭け事に近くなる。ただ、春先にはそうした賭けをする人が多いのも事実である。

 干ばつが影響する作物として天然ゴムが挙げられるが、まだ影響を受けているかどうかはわからない。タイの南部では2月に平年以上の降雨があり、20年ぶりと言われるタイの干ばつは中東部から北部にかけてであり、天然ゴムの植樹は比較的少ない地帯である。ただ、天然ゴムは一旦枯れると切り倒す必要があり、再生産まで5〜6年を要するので、大事となる。東京天然ゴム価格は2015年1月以降東京原油価格と0.88という非常に高い相関係数をもって正の相関をしているため、原油価格が下落すれば天然ゴム価格も下がりやすい。

 原油価格は41ドル当たりに上値抵抗線があるものと思われ、跳ね返されているが、4月に開催される産油国会議で生産量が凍結されるかどうかが一つの焦点となる。ただ、イランやイラクが賛同するかどうか、仮に凍結が決議されても果たして守られるかどうか、更に1月の生産量に留まるとしても、原油の需給は、需要が低迷しているだけに、改善されるかどうかは不透明であり、大量の石油在庫が解消されることは無いだろう。したがって原油価格の上値は重く、ETFで買いこんだ株式投資家が原油ETFを早めに放棄すれば、価格は下がる可能性があると思われる。

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