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方向感の無い展開

  • 2016-03-23 (Wed)09:16
  • 近藤雅世
  • 原油
先週FOMC(米連邦準備制度理事会による公開市場委員会)において、利上げが見送られ、年4回の利上げ予定が2回に修正されたため、ドルが下落し、商品価格が上昇している。今年1月4日を100とした指数では、ドルインデックスは▲3.8%下落しているのに対し、シカゴトウモロコシ価格は+4.4%、原油価格は+7.3%、金価格は16.6%上昇しており、ドル安の商品高となっている。

ただ、ここにきて金も原油もトウモロコシも動きは一定方向には向いていないように見える。原油価格は40ドル近くまで上昇しており、ファンドの売り残と価格の関係は0.84という高い正の相関で動いている。しかし、2月9日の33万枚の売り残は、3月15日20万枚まで減少し、ピークの3分の2となっている。その分だけ買い戻しの勢いは以前ほどは無いのではないかと思われる。



現在の原油需給は、米エネルギー情報局(EIA)はShort Term Energy Outlookにおいて、112万バレルの供給過剰と述べており、OPECのOil Market Report3月号では、76万バレルの供給過剰と述べている。その差は日OPECからの供給量をOPECはEIAより少なめに見積もっているためであるが、いずれにせよ米国の原油在庫は5週連続で増加しており、世界の石油在庫は30億2300万バレル(1月末)と過去5年平均より3億2800万バレルと、1割以上多い水準となっている。

このところ原油は割り安感から買われているが、その根拠は乏しく、4月17日に予定されるドーハにおける産油国会議も、1月の生産量で凍結することさえ困難だと思われている。産油国各国は原油安により歳入不足に陥っており、少しでも収入を増やさねばならない立場にあり、生産量を制限するほど余裕のある国は少ないと思われる。

ここまでの原油価格上昇は、証券投資家が購入している原油ETFが買われたことが主な要因となっているが、原油価格が一定以上に高くなれば利食い売りが出るのではなかろうか。EIAは今年と来年の原油価格見通しを35ドルとしているが、21日の原油価格は39.91ドルと、すでにその価格を上回っており、底値を確認した原油価格はそろそろ短期的な天井を見せるのではなかろうか。

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