- 2013-05-01 (Wed)10:26
- 近藤雅世
- 経済動向
東京市場の商品価格は、海外価格が下がってもそれ以上に円安となれば上昇する。逆に4月12日から16日の3営業日で、NY金価格は15日月曜日は前営業日比▲140.3ドルだったが、16日火曜日は+26.3ドルだったので、合計して▲114ドル、7.41%の下落であった。
ところが、東京金価格は15日▲409円、16日火曜日▲253円と2日連続で下落し、合計▲662円13.69%とNYの倍近く下落している。これは12日金曜日から15日月曜にかけ急激な円高になったことが関係している。ドル円は12日の98.301円から15日は86.746円に▲1.585円、1.64%円高ドル安となっている。
3連休明けの東京市場ドル円は97.8円前後で動いている。今後の為替動向次第では東京商品価格は、大きな影響を受けるだろう。ドル円は100円の壁をなかなか突破できないでいるが、円高円安要因を列挙してみると、当面は円高要因の方が多いような気がする。
<円安要因>
★G-20財務相・中央銀行総裁会議で日本銀行の金融緩和による円安への理解が示された。
★本邦政府系機関投資家が資金運用計画で外貨建て資産への資金配分を増額するとの観測。
★朝鮮半島の地政学的リスクが払拭されない。
★外貨準備を運用する海外の中央銀行や政府系ファンド(SWF)は、円を保有するリスクを回避しつつあり、円売りによる資金流出懸念が高まっている。
<円高要因>
★第1四半期の米実質国内総生産 (GDP)が予想は3%増に対して、 前期比2.5%増 と予想を下回る結果となった。第2四半期の米経済成長率は給与税の増税や自動的な歳出削減の影響がじりじりと迫り、1.6%に減速するとの厳しい予想も現実化してきた。
★経済・物価情勢の展望(展望リポート)や黒田日銀総裁の会見が4月4日の日本銀行金融政策決定会合の異次元の量的・質的金融緩和のサプライズを超える内容では無かった。日銀の政策一巡。これ以上は期待できない。
★生命保険会社の今年度の資金運用計画では、外貨建て資産への資金配分の増額が予想を下回った。今後は、政府系機関投資家(年金、ゆうちょ銀行、かんぽ生命)などの資金運用計画での外貨建て資産への資金配分を注目する展開となる。
★30日~1日の米国連邦公開市場委員会(FOMC)では、米国の景況感が歳出強制削減の影響で低迷していることで、金融政策の現状維持決定が予想される。4月24日付けの米国連邦準備理事会(FRB)のバランスシートは、3兆2760億ドルだが、量的緩和第3弾(QE3)により850億ドルの債券購入が継続することで、ドル売り要因となる。
★5日に公表される米国の4月の雇用統計は、失業率が7.6%で3月の7.6%と変わらず、非農業部門雇用者数は、前月比+14.5万人の増加で、3月の+8.8万人から増加することが予想されている。非農業部門雇用者数が予想通りに前月比+14.5万人程度の増加となった場合、失業率低下の条件である+15-20万人の下限付近となるが、出口戦略の条件となる、過去6ヶ月の平均が20万人以上の条件を依然として満たさないことになる。
★ユーロ・ドルは、レッタ伊首相による新政権樹立への期待感から、1.2954ドルから1.3094ドルまで強含みに推移したものの、欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測が台頭したことで上げ渋る展開となった。欧州中央銀行(ECB)は、ユーロ圏のリセッション(景気後退)の深刻化を受けて、5月か6月に政策金利(0.75%)を引き下げる可能性が高まっており、ユーロ売り要因となる。
★欧米のディスインフレ傾向=金融緩和の相対感が欧米の方が上回る可能性=円高要因
ところが、東京金価格は15日▲409円、16日火曜日▲253円と2日連続で下落し、合計▲662円13.69%とNYの倍近く下落している。これは12日金曜日から15日月曜にかけ急激な円高になったことが関係している。ドル円は12日の98.301円から15日は86.746円に▲1.585円、1.64%円高ドル安となっている。
3連休明けの東京市場ドル円は97.8円前後で動いている。今後の為替動向次第では東京商品価格は、大きな影響を受けるだろう。ドル円は100円の壁をなかなか突破できないでいるが、円高円安要因を列挙してみると、当面は円高要因の方が多いような気がする。
<円安要因>
★G-20財務相・中央銀行総裁会議で日本銀行の金融緩和による円安への理解が示された。
★本邦政府系機関投資家が資金運用計画で外貨建て資産への資金配分を増額するとの観測。
★朝鮮半島の地政学的リスクが払拭されない。
★外貨準備を運用する海外の中央銀行や政府系ファンド(SWF)は、円を保有するリスクを回避しつつあり、円売りによる資金流出懸念が高まっている。
<円高要因>
★第1四半期の米実質国内総生産 (GDP)が予想は3%増に対して、 前期比2.5%増 と予想を下回る結果となった。第2四半期の米経済成長率は給与税の増税や自動的な歳出削減の影響がじりじりと迫り、1.6%に減速するとの厳しい予想も現実化してきた。
★経済・物価情勢の展望(展望リポート)や黒田日銀総裁の会見が4月4日の日本銀行金融政策決定会合の異次元の量的・質的金融緩和のサプライズを超える内容では無かった。日銀の政策一巡。これ以上は期待できない。
★生命保険会社の今年度の資金運用計画では、外貨建て資産への資金配分の増額が予想を下回った。今後は、政府系機関投資家(年金、ゆうちょ銀行、かんぽ生命)などの資金運用計画での外貨建て資産への資金配分を注目する展開となる。
★30日~1日の米国連邦公開市場委員会(FOMC)では、米国の景況感が歳出強制削減の影響で低迷していることで、金融政策の現状維持決定が予想される。4月24日付けの米国連邦準備理事会(FRB)のバランスシートは、3兆2760億ドルだが、量的緩和第3弾(QE3)により850億ドルの債券購入が継続することで、ドル売り要因となる。
★5日に公表される米国の4月の雇用統計は、失業率が7.6%で3月の7.6%と変わらず、非農業部門雇用者数は、前月比+14.5万人の増加で、3月の+8.8万人から増加することが予想されている。非農業部門雇用者数が予想通りに前月比+14.5万人程度の増加となった場合、失業率低下の条件である+15-20万人の下限付近となるが、出口戦略の条件となる、過去6ヶ月の平均が20万人以上の条件を依然として満たさないことになる。
★ユーロ・ドルは、レッタ伊首相による新政権樹立への期待感から、1.2954ドルから1.3094ドルまで強含みに推移したものの、欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測が台頭したことで上げ渋る展開となった。欧州中央銀行(ECB)は、ユーロ圏のリセッション(景気後退)の深刻化を受けて、5月か6月に政策金利(0.75%)を引き下げる可能性が高まっており、ユーロ売り要因となる。
★欧米のディスインフレ傾向=金融緩和の相対感が欧米の方が上回る可能性=円高要因
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