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米国のエタノール産業の行方

NY原油価格の上昇に伴い、ここ最近、エタノール相場も上昇傾向にあります。
4日に米大手投資銀行のゴールドマン・サックスから発表されたレポートの中で、
年内の原油価格見通しが1バレル=85ドルと
前回の65ドルから一気に20ドルも上方修正されたことが市場で好感され、
代替燃料であるエタノールの拡大観測に再び期待が集まっていることが背景にあるようです。

しかし、米国のエタノール業界は相変わらず苦戦を強いられています。
4月上旬にはエタノール業界大手のAventine Renewable Energy Holdings Incが、
5月にはWhite EnergyやPacific Ethanol Incがチャプター11を申請しました。
エタノール価格が上昇しているにもかかわらず、なぜ業績が好転しないのでしょうか?
実は、エタノール製造業者は未だ大量の在庫を抱えており、在庫処分に追われています。
実際に、米国の2月、3月のエタノール生産量は減少していました。
また、ここ最近の原油価格の上昇に伴い、
ガソリン価格がようやくエタノール価格を上回った状態になったとは言え、
エタノールマージンは未だ約8セント/ガロンと損益分岐点ギリギリの状態なのです。

再生可能燃料協会(RFA)によると、現在稼動中のエタノール精製能力は
約103億ガロン/年とされています(4月22日現在)。
2009年の再生可能燃料基準である105億ガロンの最低使用義務は、
在庫等を考慮すれば達成可能ですが、
米国のガソリン需要に回復の兆しが見えないことを鑑みると、
2010年の義務量である120億ガロンを達成できるかどうかについては疑問視されています。
今後、マージンが急速に回復するというシナリオには描けそうにありません。

ちなみに、米国環境保護庁(EPA)は5月5日、
再生可能燃料基準(RFS)プログラムの修正案(RFS2)を発表しました。
このプログラムには、温室効果ガスの削減義務が盛り込まれています。
具体的には、バイオ・エタノールなどの燃料の生産、輸送、ブレンディング、消費など
全ての過程で排出される温室効果ガスの量を評価の対象としたうえで、
2005年時点を基準とした石油製品のGHG排出量に比べ、
再生可能燃料全体で20%の温室効果ガス削減を義務付けています。
また、森林伐採を含めた農地開発といった、
間接的な影響についても評価の対象となっています。

しかし、米国のエタノール工場はほとんどが燃料として
化石燃料に区分される天然ガスと石炭を利用してエタノールを製造しています。
各エタノール工場が排出している具体的な温室効果ガスの量や
必要とされる削減量は発表されていないため、現段階では推測の域をでませんが、
天然ガスと石炭という化石燃料への高い依存率、
そして効率的なエネルギー消費システムの導入率の低さから見ると、
今回発表された再生可能燃料基準プログラムの温室効果ガス排出基準を満たせない
多くの工場が発生する可能性があると思われます。

オバマ政権はグリーン・ニューディール政策を目玉に掲げ、
雇用の創出や米国の脱石油化、CO2排出量の削減を図っていますが、
その方向性次第では、米国のエタノール生産業者にとって厳しい未来となりそうです。

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