- 2012-06-04 (Mon)19:41
- 近藤雅世
- 経済動向
欧州経済に関する各種レポートを読み漁ったが、どれ一つ取ってみてもクリアカ
ットな説明をしたものはない。それほどギリシャやスペイン情勢、ECBの立ち場
等が複雑で混沌とした状態に置かれているのでろう。
課題は、7月のギリシャの年金と公務員給料をどうやって支払うかという切羽詰
まったものであるが、その原資が見いだせていない。その足元ではギリシャの民
間金融機関の銀行預金が、毎月引き出され続けている。2009年末以降でいえば
累積で800億ユーロ、預金残高はピークの3割以上減少し、その勢いは増すばかり
である。同様にポルトガルとスペイン、イタリアの銀行からも預金引き出しが続
いており、グラフで見ると右下に向かって付き進んでいる。これを見ただけでも
欧州金融機関の危機発生は時間の問題だと思わざるを得ない。ほとんどのレポー
トは、ギリシャが破たんしたら、とか、ギリシャがユーロを離脱した場合という
前提に立って非常に悲観的な見方をしている。スペインについても不良資産の額
がどこまで大きくなるのかわかっていない。ちょうど米国がサブプライム危機に
おいて金融機関が背負う不良債権額がなかなか見通せなかったのと同じで、時々
刻々と債権額は増加しているものと思われる。
ットな説明をしたものはない。それほどギリシャやスペイン情勢、ECBの立ち場
等が複雑で混沌とした状態に置かれているのでろう。
課題は、7月のギリシャの年金と公務員給料をどうやって支払うかという切羽詰
まったものであるが、その原資が見いだせていない。その足元ではギリシャの民
間金融機関の銀行預金が、毎月引き出され続けている。2009年末以降でいえば
累積で800億ユーロ、預金残高はピークの3割以上減少し、その勢いは増すばかり
である。同様にポルトガルとスペイン、イタリアの銀行からも預金引き出しが続
いており、グラフで見ると右下に向かって付き進んでいる。これを見ただけでも
欧州金融機関の危機発生は時間の問題だと思わざるを得ない。ほとんどのレポー
トは、ギリシャが破たんしたら、とか、ギリシャがユーロを離脱した場合という
前提に立って非常に悲観的な見方をしている。スペインについても不良資産の額
がどこまで大きくなるのかわかっていない。ちょうど米国がサブプライム危機に
おいて金融機関が背負う不良債権額がなかなか見通せなかったのと同じで、時々
刻々と債権額は増加しているものと思われる。
こうした状況を知るにつけ、ユーロは安くなる。ユーロ発の不況は長引く。資源
価格は下落する。金は上昇すると思わざるを得ない。当面確定的なのは株安、
ユーロ安それに資源通貨安であろう。幸い日米に限って言えば景気は底這いから
少し頭を持ち上げようとしているところであり、まだ欧州ほど悲観的ではない。
新興国も同様であるが、いずれも期待できるほどの景気回復は見込まれない。
欧州の状態を読めば読むほど、商品も株価もこのまま需要が落ち込めば、それほ
ど上昇する雰囲気にはないと言わざるを得ない。
価格は下落する。金は上昇すると思わざるを得ない。当面確定的なのは株安、
ユーロ安それに資源通貨安であろう。幸い日米に限って言えば景気は底這いから
少し頭を持ち上げようとしているところであり、まだ欧州ほど悲観的ではない。
新興国も同様であるが、いずれも期待できるほどの景気回復は見込まれない。
欧州の状態を読めば読むほど、商品も株価もこのまま需要が落ち込めば、それほ
ど上昇する雰囲気にはないと言わざるを得ない。
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