- 2012-05-29 (Tue)11:39
- 近藤雅世
- 原油
5月24日バクダッドで開催されていた国連安保常任理事国にドイツを加えた6か国
とイランの協議は合意に至らず、6月18〜19日にモスクワで再開されることにな
った。欧米は一部航空機部品の貿易制限解除をほのめかしてイランに核開発の停
止を迫ったが、イランは経済封鎖の大幅な解除を主張し、平行線となった。IAEA
(国際原子力委員会)がイランを査察したところでは、これまでウランを20%ま
で濃縮していると報告していたが、今回2月に同国中部ふぉるどの地下施設で濃
度27%を検出したという。核爆弾を製造するには90%以上の濃縮が必要であるが、
濃縮技術は3.5%から20%に高めるのが難しく、その後は雪だるま式に濃縮でき
るという。また、イランはフォルドの遠心分離器の数を50%増やしたが、一部設
備にはローター等主要設備が取り付けられておらず、部品を輸入できない状況と
みられる。
とイランの協議は合意に至らず、6月18〜19日にモスクワで再開されることにな
った。欧米は一部航空機部品の貿易制限解除をほのめかしてイランに核開発の停
止を迫ったが、イランは経済封鎖の大幅な解除を主張し、平行線となった。IAEA
(国際原子力委員会)がイランを査察したところでは、これまでウランを20%ま
で濃縮していると報告していたが、今回2月に同国中部ふぉるどの地下施設で濃
度27%を検出したという。核爆弾を製造するには90%以上の濃縮が必要であるが、
濃縮技術は3.5%から20%に高めるのが難しく、その後は雪だるま式に濃縮でき
るという。また、イランはフォルドの遠心分離器の数を50%増やしたが、一部設
備にはローター等主要設備が取り付けられておらず、部品を輸入できない状況と
みられる。
イランは最近急激に態度を軟化させている。一つには、経済封鎖の効果が市民生
活をインフレに導き、諸物価が高騰して輸入品が少なくなっていることであるが、
もう一つは、頼みの綱だったインドと中国が最近米国の説得に応じてイランから
の原油輸入量を減らしていることが大きいと思われる。これに加えて7月1日から
欧州がイラン産原油の全面禁輸を行えば、それだけでイラン歳入の3分の1がなく
なると言われイラン政権は苦しい立場に追い込まれている。最高決定者はハメネ
イ氏であり、今後の動向が注目される。
欧米や中国にとっては、イラン原油の代わりにサウジアラビアが原油供給を積極
的に行っている。サウジと敵対するイランが核ミサイルを持つことにはサウジア
ラビアも他人事ではないため、昨年のリビア原油の減産の時以上に、サウジは増
産しているものと思われる。
こうした動きは原油価格を和らげている。
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