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円安になるので金を買おう?

  • 2012-02-17 (Fri)11:27
  • 近藤雅世
ドル・円は1月31日の76.153の円高をピークに日足では2回の陰線を除いて、9回
陽線が続き、16日は78.93円まで円安になっている。これは円安傾向の始まりで
はないかと思われる。

一つは、日銀が10兆円の債券買い取り政策を公表したためである。復興需要で
18兆円が財政支出される中で、更に10兆円の資金が市中に撒かれるということは
日銀が円安を目指していることの証左として驚きをもって市場はこれを迎えた。
円売り介入枠は195兆円に増額され、円高があればいつでも介入出動される体制
が整っている。こうした潤沢な円資金は円安を助長するだろう。

二つ目は、日本国債の危ない綱渡りである。日本の財政資金調達額はGDPの58.6
%にも達しようとし、米国の30.4%、ギリシャの16.5%、イタリアの23.5%、
ポルトガルの22.3%、ベルギーの22.2%、スペインの20.6%等を倍以上引き離し
ている。ギリシャの財政危機で目の辺りにした緊縮財政、増税の嵐が、いずれ
日本にも適用されると思うのは今や常識化している。その日本国債は、毎年短期
年限化しており、各国の国債は長期債による調達が主であるのに対し、日本だけ
短期債の比率が高まっている。これは、短期債の方が金利が安いので利息負担を
軽減するためと、買い手側にとっては低い金利の長期債は買い難いという市場の
要請からそうなってきたものであるが、借り換えの速度はどんどん早まっている。
企業の資金繰りで言えば自転車操業に近くなっているということだ。こうした数
字を見ると、誰もが円は売りたくなる。これまでギリシャからの欧州危機が安全
資産として米国債と共に日本の資産への需要もあった。しかし、仮に欧州危機が
一段落すると、次の問題国として日本と米国がやり玉に上げられるであろう。買
われ過ぎと見られた円は今後売られる可能性が高い。

三つ目は、ユーロのショートポジションがかって無い程積み上がっていることだ。
ユーロドルは2009年11月25日の1.514から1月13日1.262まで17%切り下がってい
る。また、ユーロ円は2009年5月5日の139.22円から1月16日97.02円まで約30%の
切り上げである。こうしたユーロ売りポジションは近い将来巻き戻される可能性
が強い。それは急激なユーロ高円安となるだろう。

円安になると言って、ドルやユーロを買う必要はない。
本当に円安になるかは神のみぞしるとすれば、いちずに為替に賭けるのではなく、
間接的に賭ければより安全である。それは円建ての金を買うことだ。おそらく
ユーロが強くなればドルは弱くなり、ドルが弱くなれば金は高くなる。そうした
相乗効果も狙える。ドル建ての金高×円安と二重においしい。これまで金高だっ
たが、円高だったので取り損なった利益を今こそ返してもらおう。

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