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イタリアの財政危機は…

イタリアの財政危機はそれほど大きな問題ではないと思う。イタリアのプライマリーバランスは黒字であり、金利が7.48%まで上昇したとはいえ先週末の国債入札は問題なく行われた。イタリア国債を最も多く保有しているのはフランスであり、S&Pがフランス国債格下げをサイトに載せてそれが間違いだったと訂正している。ただ、欧州の救済資金であるEFSF(欧州金融安定化基金)に資金が集まるかどうかは問題だろう。中国とインドは、欧州からの要請にもG20の席上で、何らのコメントをしなかった。また、
イタリアは来年3000億ユーロの借り換えが必要であり、その調達が円滑に行われるかは微妙である。イタリアの混迷はフランス不安まで伝染しかねない。そうした不安点はあるが、ギリシャのデフォルトを巡る混乱によって、独仏首脳による欧州金融機関の再建案は出ているので、金価格が高騰するほどの大問題とはならないだろう。

HSBCのCEOであるGulliver氏は、アジア地域が2008年同様欧州銀行の貸し出し引き上げによって信用収縮の波に襲われる可能性があると指摘した。海外銀行によるアジア地域への貸し出し残高は2兆5200億ドル、その21%を欧州金融機関が占めている。インドネシアの調達資金の海外依存度は75%に達し、韓国や豪州でも50%前後だという。欧州銀行のクレジットクランチの飛び火はアジア企業に資金ショートの嵐を呼び起こすだろう。

こうした情勢は、金融緩和を惹起する可能性が高い。既に多くの国では金融緩和を実施しているが、更なる緩和措置が取られると思われる。それは商品価格値上がりを招くだろう。12月13日のFOMCでQE3が発令されるかが注目される。

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