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今 ホットなのはトウモロコシである。

本日(米国8月18日)のウォールストリートジャーナルに、以下の記事が載った。
〜 中国のトウモロコシ需要が急拡大〜世界の穀物取引にも影響か 〜

中国で成長する中産階級の二―ズによりトウモロコシの需要が急拡大している。
その結果、米国の農業地帯にその波紋が広がっており、世界の穀物取引にも影響
が及ぶ可能性がある。 トウモロコシは中国で甘味料やコーンスターチ、アル
コールなどの原料として使われ、家畜のえさにもなっている。

中国は7月に2100万ブッシェルのトウモロコシを米国に発注した。米国政府が中
国の1年間の購入量として予想していた以上の量を1度で購入したのだ。夏の暑さ
で中西部での生産量減少が見込まれていた時期でもあり、この注文は市場を驚か
せた。さらに中国は8月にも220万ブッシェル購入した。

中国がトウモロコシ市場に対して与えている影響は、同国の急成長する経済が
いかに世界のビジネスに影響を与えるかを象徴するものだ。13億人を抱える中国
は、近年の商品市場で主要なプレーヤーになってきている。

 中国はすでに米国産大豆の約4分の1を購入している。だが、トウモロコシ需要
の急増は予想されていなかった。中国は国内でも広くトウモロコシを生産してお
り、15年間輸入が輸出を上回ることはなかった。また中国は、穀物などの戦略備
蓄量を公表しておらず、どの程度の供給が必要なのか、他国の市場は推測するよ
り他ない。
 
 予想外の需要の伸びは、中流階級が拡大し、彼らの嗜好が予想以上に速く変わ
りつつあることが要因だと考える人が多い。たとえば、中国では以前よりも豚肉
を食べるようになっている。政府は欧米流の農業手法を採用し、豚にもっとトウ
モロコシを食べさせるよう推奨している。また、トウモロコシをベースにした甘
味料を使うジュースなどの消費も増えている。コカコーラは第2四半期の中国で
の販売量が21%増えたという。

米国のトレーダーやエコノミストの多くは、5年から10年のうちに、米国産トウ
モロコシの購入国として、中国は日本を追い抜いて最大となる可能性があると考
えている。日本の昨年の購入量は6億1000万ブッシェルだった。

 中国共産党は、社会の不安定化につながる食料のインフレを特に警戒している。
国内の供給量を維持するため、中国製のトウモロコシを原料とするエタノール工
場の建設を中止したほどだ。
 
 米国企業は中国の拡大する需要に対応するため、投資を始めている。 この秋
開設予定のワシントン州ロングビューのある港湾ターミナルは、穀物を輸送する
海洋船舶向けの荷積み用のものだ。こうしたターミナルができるのは、米国では
少なくともここ20年間で初めてだ。穀物メジャーのブンゲとアジアのパートナー
2社が2億ドルを投じて建設している。
 
 バイオテク大手のモンサントは、中国国営の化学コングロマリットである中国
中化集団(シノケム)との提携関係強化に向けて協議を進めている。両者は2001
年からトウモロコシ種子の育成を手がけるベンチャーを運営している。
 
 西側の誰も、中国がどの程度のトウモロコシをいつ頃輸入したいのか、はっき
りとは分かっていない。だが、穀物トレーダーはその可能性に魅せられている。
ウェルズ・ファーゴのエコノミストであるマイケル・スワンソン氏によると、中
国人一人当たりの精肉の消費量が倍になって米国と同程度になれば、中国はさら
に240億ブッシェルのトウモロコシが必要になるという。これは、米国の年間生
産量の約2倍だ。
 
 株式会社コモディティー インテリジェンスが昨日発行した週刊穀物110817を
読んでいただければわかるが、8月11日米農務省が公表した需給報告では、トウ
モロコシの生産量が7月の予想の13470百万ブッシェル、民間予想の13353百万ブ
ッシェルに対して8月の公表予想値は12914百万ブッシェルであった。このため、
需給を期末在庫が少しでも残るようにするために、USDAは需要を340百万ブッシ
ェル減らしている。国内が190百万ブッシェル、輸出が150百万分っせhるである。
輸出量は07/08年度は2437百万ブッシェルであったが、その後減少しており、昨
年は1825百万ブッシェルであった。しかし、8月の需給報告ではそれよりも更に
少ない1750百万ブッシェルと見込んでいる。

 仮に中国が日本以上の輸入国になるとすれば、(中国は世界第二位のトウモロ
コシの産地であり、2006/07年までは527万トンを輸出する輸出大国であった。)
が大量に輸入すれば、日本等が輸入するトウモロコシは無くなってしまう。いず
れにせよ価格はまだまだ上がるだろう。

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