- 2011-08-11 (Thu)12:56
- 近藤雅世
- 金
8月10日NY金価格は史上最高値を3日連続して書き換えて、12月限は1784.30ドルを付けた。これほど高い金の買いには不安が残る。一つは、ファンドが利食いする可能性が高いこと、もう一つは、これ以上金価格が仮に上がるとしても、上値の利益期待率は下落による損失の確率よりも小さいからだ。
ファンドや機関投資家は、商品について、価格が上がる要因が多いと判断した時にその商品を先物取引で買う。(ほとんどのファンドや機関投資家等大手投資家は、先物取引で買う。現物を買う人は極めて少ない。なぜならレバレッジを効かせて投資の資金効率を上げるためだ)
金の場合の買いの要因は、米国のサブプライム問題による金融不安、中東ドバイの金融不安、中東北アフリカ情勢による地政学的リスク、アイルランドやギリシャ等の欧州のソブリンリスク、そして、米国の債務上限問題から米国債リスクであった。
それらをいち早く読みこんでファンドはNY先物市場(COMEX)で金を買ってきた。
現物価格というのは、ロスチャイルド銀行で毎日2回取引が行われるAM/PMフィキシング価格というロコロンドン(ロンドン渡し)価格、あるいは田中貴金属が毎朝10時に公表する今日の金価格等である。
金融不安が起きると金が売れるというのは、ある意味では事実であろうが、それが数字となって出てくるのは数カ月先である。ワールドゴールドカウンシルは未だに3月までの第一四半期の金の需給しか公表していない。4〜6月期は集計中である。ましてや8月の金の売れ行き等誰も知らない。推測するに、金の需要は急激に落ち込んでいると思われる。なぜならインド人やトルコ人、中国人など日ごろから金を購入している民族は、金価格が高くなると、ぴたりと購入をやめて売却に回るからだ。これは過去の金の需給の動きを見ていれば容易に想像が付く。
さて、実際に金が売れていなくとも、上記のような地政学的リスクや金融不安が起きれば先物の金は買われる。これは人々の金が高くなるという思惑が買わせるものだ。上の説明のように、本当に金が売れているわけではなく、金は売れるはずだという多くの人々の共通認識が金価格を押し上げる。
ファンドや機関投資家等大手投資家の手口は、そうした思惑を先行して持ち、早くからその商品の先物を買う。そして思惑通り、多くの人々が共感して金を買い始めると、密かに売り抜けて利益を確定する。しかし、トレンドが強い上昇傾向を示し、より多くの人々が金の先物を買いにくれば、再びファンドも買いを始める。空売りしていたファンドは、慌てて途転して買いの流れに乗る。
価格の天井を取るのは難しい、というより不可能である。これは私が神様でないためである。いつ天井になるかということは私にはわからない。ただ、そろそろだということは何となくわかる。
一つの指標が近藤雅世の造語だが、「メディア指数」というものである。それは、商品価格が日経新聞の商品蘭に出ている程度なら問題ないが、金が高いと言うニュースを朝日新聞や毎日新聞、読売新聞が書き始め、テレビやラジオで解説者がもっともらしく金はもっと高くなると解説を始めると、だいたい天井に近いという指数である。
もう一つの指標はテクニカル分析におけるRSI(相対力指数)やストキャスティック、ボりンジャーバンド等の逆張り系オシレーターである。そんな単純なものでわかるのかと言われそうだが、テクニカル指標は単純であればある程当たる確率が高くなる。オタク系の指標になればなるほど独りよがりになり、当たらなくなる。なぜか? 多くの人が見ていないからだ。移動平均線やRSIはどこのチャートソフトにもある。その見方も簡単なので、ほとんどの人が知っている。ストキャスティックやMACDはその変形であるので、これも多くのトレーダーが見ている。多くの人が見れば見る程当たるというのは市場の原則である。
ファンドのいくつかは、コンピュータートレードのフルオートマティックで取引をしている。商品価格の上昇トレンドをきれいに描く局面は数少ないので、このフルオートマティックトレードは金の上昇をとらえている可能性が高い。その場合、手仕舞い売りして利益を確定するサインが仕組まれている。恐らく小さく手仕舞いしながら買い上がっていると思われるが、それでもRSIが80%を超えたのに未だ買いを続けるシステムは余りないだろう。
昨日8月10日のNY金の相対力指数はなんと、85.4である。
ファンドや機関投資家は、商品について、価格が上がる要因が多いと判断した時にその商品を先物取引で買う。(ほとんどのファンドや機関投資家等大手投資家は、先物取引で買う。現物を買う人は極めて少ない。なぜならレバレッジを効かせて投資の資金効率を上げるためだ)
金の場合の買いの要因は、米国のサブプライム問題による金融不安、中東ドバイの金融不安、中東北アフリカ情勢による地政学的リスク、アイルランドやギリシャ等の欧州のソブリンリスク、そして、米国の債務上限問題から米国債リスクであった。
それらをいち早く読みこんでファンドはNY先物市場(COMEX)で金を買ってきた。
現物価格というのは、ロスチャイルド銀行で毎日2回取引が行われるAM/PMフィキシング価格というロコロンドン(ロンドン渡し)価格、あるいは田中貴金属が毎朝10時に公表する今日の金価格等である。
金融不安が起きると金が売れるというのは、ある意味では事実であろうが、それが数字となって出てくるのは数カ月先である。ワールドゴールドカウンシルは未だに3月までの第一四半期の金の需給しか公表していない。4〜6月期は集計中である。ましてや8月の金の売れ行き等誰も知らない。推測するに、金の需要は急激に落ち込んでいると思われる。なぜならインド人やトルコ人、中国人など日ごろから金を購入している民族は、金価格が高くなると、ぴたりと購入をやめて売却に回るからだ。これは過去の金の需給の動きを見ていれば容易に想像が付く。
さて、実際に金が売れていなくとも、上記のような地政学的リスクや金融不安が起きれば先物の金は買われる。これは人々の金が高くなるという思惑が買わせるものだ。上の説明のように、本当に金が売れているわけではなく、金は売れるはずだという多くの人々の共通認識が金価格を押し上げる。
ファンドや機関投資家等大手投資家の手口は、そうした思惑を先行して持ち、早くからその商品の先物を買う。そして思惑通り、多くの人々が共感して金を買い始めると、密かに売り抜けて利益を確定する。しかし、トレンドが強い上昇傾向を示し、より多くの人々が金の先物を買いにくれば、再びファンドも買いを始める。空売りしていたファンドは、慌てて途転して買いの流れに乗る。
価格の天井を取るのは難しい、というより不可能である。これは私が神様でないためである。いつ天井になるかということは私にはわからない。ただ、そろそろだということは何となくわかる。
一つの指標が近藤雅世の造語だが、「メディア指数」というものである。それは、商品価格が日経新聞の商品蘭に出ている程度なら問題ないが、金が高いと言うニュースを朝日新聞や毎日新聞、読売新聞が書き始め、テレビやラジオで解説者がもっともらしく金はもっと高くなると解説を始めると、だいたい天井に近いという指数である。
もう一つの指標はテクニカル分析におけるRSI(相対力指数)やストキャスティック、ボりンジャーバンド等の逆張り系オシレーターである。そんな単純なものでわかるのかと言われそうだが、テクニカル指標は単純であればある程当たる確率が高くなる。オタク系の指標になればなるほど独りよがりになり、当たらなくなる。なぜか? 多くの人が見ていないからだ。移動平均線やRSIはどこのチャートソフトにもある。その見方も簡単なので、ほとんどの人が知っている。ストキャスティックやMACDはその変形であるので、これも多くのトレーダーが見ている。多くの人が見れば見る程当たるというのは市場の原則である。
ファンドのいくつかは、コンピュータートレードのフルオートマティックで取引をしている。商品価格の上昇トレンドをきれいに描く局面は数少ないので、このフルオートマティックトレードは金の上昇をとらえている可能性が高い。その場合、手仕舞い売りして利益を確定するサインが仕組まれている。恐らく小さく手仕舞いしながら買い上がっていると思われるが、それでもRSIが80%を超えたのに未だ買いを続けるシステムは余りないだろう。
昨日8月10日のNY金の相対力指数はなんと、85.4である。
<< 今 ホットなのはトウモロコシである。 |
| 五里霧中金も危ない >>