- 2011-04-07 (Thu)17:14
- 近藤雅世
- 原油
原油価格は109ドルになっている。そろそろ頭打ちではないかと思われる。IEAは今年は日量110万バレル供給不足だというが、日量110万バレルということは年間では約4億バレルであり、世界の在庫が43億バレルあるので、仮に1年間110万バレル需給がタイトであっても在庫が39億バレルに減少するに過ぎない。また、2008年当時は原油の余剰生産能力は200万バレルしかなかったが、現在は400万バレル以上あり、更に新しい油田が発見されている。また原油価格が60ドル以上になればカナダのオイルサンドやシェールガスによる代替供給が可能となり、石油に代わるエネルギーは石油価格が上昇すればするほど多く出てくる。原子力発電の頭打ちは今の原油価格に影響するのではなく、もう少し将来の話であろう。OPECは原油価格はファンダメンタルを無視して上昇しているとのべているが、その通りだと思う。ただ、機関投資家が買えば原油価格は上がる。しかし、原油価格があまりに異常に上昇すれば、CFTC(商品先物取引委員会)が建て玉制限を行うはずである。既に、新しい建て玉制限の案が1月に公表され、現在Public Opinionを取り付けたところである。近い将来これが適用されるとなると、機関投資家は原油の建て玉を売り払うだろう。原油価格ほど、ファンドのネット買い残と連動している価格は他にない。おそらく、110ドルを超えて150ドルまでの間で反転下落するものと思う・
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