- 2010-12-27 (Mon)19:09
- 近藤雅世
- 金
中国人民銀行は12月25日、2回目の利上げを発表、一年物基準貸出金利は5.82%、同預金金利は2.75%にそれぞれ25ベーシスポイント引き上げた。11月の消費者物価指数が前年比5.1%増と5カ月連続して政府目標を上回る伸び率を示したのに加え、新規貸出額も年間目標(7.5兆元)を超過するのが確実な情勢になっているためである。FT紙は、中国の地方政府や国営企業が金融緩和後借入を増やしているので、預金準備率の引き上げはあっても利上げは無いだろうと予想されていたが、旧正月を前にした物価が上昇しやすい時期を見てより一層の引き締め策が必要との判断になったようだ。
本日の上海株価は、悪い情報は織り込んだと解釈したのか、さほどの動揺も無く、平穏に終わった。シンガポール金現物価格も最初は売られたようだが、その後買い戻しが入って大きな動きは見せていない。
ただ、中国の物価指数は高止まりが続くと予想され、金融引き締め政策に打ち止め感が出そうにない。また輸出の伸び率が低下紙はじめ、外需に対する不安が高まり始めている。その意味で、世界をけん引してきた中国経済が少し威力が落ちる可能性がある。
(つづく)
本日の上海株価は、悪い情報は織り込んだと解釈したのか、さほどの動揺も無く、平穏に終わった。シンガポール金現物価格も最初は売られたようだが、その後買い戻しが入って大きな動きは見せていない。
ただ、中国の物価指数は高止まりが続くと予想され、金融引き締め政策に打ち止め感が出そうにない。また輸出の伸び率が低下紙はじめ、外需に対する不安が高まり始めている。その意味で、世界をけん引してきた中国経済が少し威力が落ちる可能性がある。
(つづく)
金について考えると、一つは新興諸国株価の下落ムードから投資資金が引き出されて米国債等安全資産に向かうと、商品投資資金も一緒になって安全資産に向かうと考える見方である。
もう一つは安全資産の中に金は含まれる、つまり新興諸国の株式や不動産投資から引き揚げた資金が行き場を失って金に向かうと考える見方である。
いずれにせよ、中国以外では欧州の金融不安は未だ第一幕が終わったばかりで、今後もあり得、米国はQE2(第二次金融緩和)への批判が多く、またオバマ大統領がブッシュ減税を延長したことを見て、財政赤字が増えるとの印象から長期金利が上昇し、そのため企業収益が圧迫され、住宅ローン金利が上昇すると思われる。そうした景気低迷への不安も金にとっては温床となるだろう。なかなか金価格は下がりそうになく、長い目では上昇を続けると思う。
もう一つは安全資産の中に金は含まれる、つまり新興諸国の株式や不動産投資から引き揚げた資金が行き場を失って金に向かうと考える見方である。
いずれにせよ、中国以外では欧州の金融不安は未だ第一幕が終わったばかりで、今後もあり得、米国はQE2(第二次金融緩和)への批判が多く、またオバマ大統領がブッシュ減税を延長したことを見て、財政赤字が増えるとの印象から長期金利が上昇し、そのため企業収益が圧迫され、住宅ローン金利が上昇すると思われる。そうした景気低迷への不安も金にとっては温床となるだろう。なかなか金価格は下がりそうになく、長い目では上昇を続けると思う。
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