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未だギリシャは終わっていない

  • 2010-04-28 (Wed)18:08
  • 近藤雅世
欧州経済を左右するギリシャやポルトガルの財政危機はなかなか終焉を見せない。4月11日EU各国とIMFは450億ユーロをギリシャに支援することを決定したため、これでギリシャ財政危機は収まったかに見えたが、英FT紙によれば、450億ユーロではとても足りないという。

Barclays Capital の試算では、今年だけで700億ユーロ、来年は600億ユーロ、2012年には560ユーロが必要だという。BarclaysのエコノミストPiero GhezziとChristian Kellerによれば、ギリシャを救済するにはIMFとEU諸国から総額900億ユーロの低金利による支援が必要だという。また仮にIMFとEU諸国が資金を貸し付けたとし、GDPの15%を占める財政赤字のギリシャが、借りた資金を返済できる見込みは薄い。ドイツは5月9日に州選挙を控え、国民の批判が強いギリシャ支援を積極的に打ち出せない状況にある。メルケル首相のギリシャ支援に対する歯切れは悪い。

こうした情勢を受けて大手格付け機関スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、ギリシャの長期信用格付けを「BBBプラス」から「BBプラス」に3段階引き下げた。このほか、S&Pはポルトガルの長期信用格付けを「Aプラス」から2段階引き下げ、「Aマイナス」に、短期は「A-1]から「A-2」とした。いずれも投機不適格のジャンク債である。

ギリシャに資金を貸し付けるのは返済されない可能性があるという意味合いであり、このため、このためギリシャの2年債利回りは2%上昇して14.96%に達した。簡単に14%と言っても、通常の金利であれば5%程度とすれば、1割も余分に金利を払う暴利である。こうした利息を払えば誰でも倒産するだろう。その事実を突きつけられながら、ギリシャ国民はストライキで応戦しようとしている。誰も資金を貸さなくなれば、欧州の銀行の過半が倒産するため、貸さないわけには行かない。IMFは急遽150億ユーロの融資枠を増額することを検討し始めた。(つづく)

こうした泥沼がユーロ安を産んでいるが、ドル高にも拘わらず金高となっている。金はドルと共にセーフへブンとして見直されている。一方ドル高のために下落したのが原油やプラチナである。プラチナ価格は年初から13%上昇し、金の3%、原油の3%を大幅に上回っていた。金はニューヨーク株価との連動性は薄かったが、原油は0.9、プラチナも0.89の高い相関係数で株価が上がれば原油やプラチナ価格も上がった。ユーロ安により商品価格は二つに分かれた。

金も原油もプラチナも、少し高過ぎると思われる。今は調整局面にあると考えた方が良いのではないだろうか。

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