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いよいよ米国トウモロコシの作付けが開始

シカゴトウモロコシ相場はやや小反発の動きとなっている。しかし、ファンダメンタルには依然として弱気要因の方が多く、相場を再び盛り上げるような材料は見当たらない状況だ。テクニカルによる一時的な反発に過ぎず、中・長期的には再びレンジ相場に戻る可能性が高いと思われる。

4月9日に米国農務省が発表した需給報告によると、
米国トウモロコシの2009-10年度の供給は前月から据え置きとなった。需要面では、飼料・その他が1億ブッシェル引き下げられ、エタノール向けも据え置かれた。ガソリンとの価格差の拡大で混合意欲が刺激されているにもかかわらず、エタノール生産業者の採算性の悪化や在庫の増加が目先のエタノール生産を抑えるとみられるためだ。期末在庫は18億9,900万ブッシェル、在庫率は13.82%から14.70%に上方修正された。トウモロコシの在庫率の適正範囲は一般的に10〜18%とされているが、14.70%はかなり余裕のある水準であるといえる。

なお、農務省全米農業統計局(NASS)は14日、2009-10年度のトウモロコシ統計について、更新データをノースダコタ、サウスダコタ両州の生産者から集め、5月11日に発表予定の需給報告に反映させると発表している。NASSは「昨年11下旬から12月初旬にかけて実施した調査では、ダコタ両州で未収穫のトウモロコシ耕作地が多かった」と指摘。必要に応じて2009-10年のトウモロコシ作付面積、イールド(単位当たり収量)、生産および在庫高の統計を更新するとしている。ただ、いずれにしても2009-10年度が豊作であることには変わりはない。5月の需給報告で需要面が上方修正されなければ、むしろ供給量の増加は弱材料となり、相場の売り圧力になる可能性がある。

今後数週間はコーンベルト地帯の天候に焦点が移ることになる。12日に米国農務省が発表した今シーズン初の2010-11年度作付け進捗率によると、主要18州は過去5年平均(4%)とほぼ同水準の3%と、おおむね順調に進んでいる。コーンベルト地帯における土壌水分は5〜6月の作付け期においては水分が潤沢でなければならないが、今年に関して言えば、ほとんどの産地で「適度」な状態となっており、今のところ懸念材料はない。過去2番目の規模になると予想される米国の作付が順調に進めば、今の高単収種の普及状況から考えて生産が記録を更新する可能性は非常に高い。作付けの進捗に伴い、トウモロコシ相場は頭重い展開を強いられる可能性が強いと思われる。

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