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トウモロコシは月末までレンジ相場か

シカゴトウモロコシは底固めの動きを見せ始めている。ただ、特にファンダメンタル要因に変化があったわけではないため、最近の安値からのテクニカル的な戻しにすぎないと思われる。市場関係者は月末の作付け意向面積報告や四半期在庫報告を待ち構えており、予想外の大きな材料がなければ当面、狭いレンジ内での値動きが続くとの見方が優勢になっている。

10日に米国農務省から発表された3月の需給報告によると、
2009-10年度の米国トウモロコシの生産高は単収の低下を反映して、131億5,100万ブッシェルから131億3,100万ブッシェルへ、2,000万ブッシェル下方修正された。これに対し、輸出が20億ブッシェルから19億ブッシェルへ引き下げられた。この結果、総需要が130億1,500万ブッシェルへ減少し、これに応じて期末在庫が8,000万ブッシェル増え、在庫率も13.8%へ回復している。今回の需給報告では、米国農務省の再調査によって生産高がどの程度変更されるかが注目されていたが、結局、生産高の変更は小幅にとどまり、市場を驚かせることはなかった。

一方、南米の豊作がほぼ確定しつつある。世界第二位のトウモロコシ輸出国であるアルゼンチンのブエノスアイレス取引所が11日に発表した作柄報告によると、2009-10年度のトウモロコシ生産量は2,020万トンと予想されており、これまでに11.5%が収穫されたという。なお、米国農務省が発表した3月11日までのトウモロコシ週間輸出成約高によると、今年度累計は3,308万トンと前年同期の3,053万トンを8.4%上回っている。しかし、米国では1月以降、輸出成約高が減少しつつある。南米の豊作期待が高まるにつれて、実需筋が安価な南米産へシフトしている様子がうかがえる。今後、南米からの供給増が相場の重石となるだろう。ただ、南米ではここ数年、毎年のように港でストライキが起こっている。急に輸出がストップし、その反動で米国産が買われる可能性がある点は注意が必要である。

米国ではいよいよ4月から2010-11年度のトウモロコシの作付けが開始される。米国農務省は2月に行われたアウトルックフォーラムで、今年の作付面積は前年比で2.89%増し、8,900万エーカーになるだろうと予想している。しかし、米海洋大気局(NOAA)は、気温上昇に伴う雪解けの影響で米中西部の河川の水位が上昇し、洪水被害が発生する危険性が高まっていると指摘している。特にプレーン北部からアイオワ州にかけての地域が最も懸念されている。レッドリバーが氾濫し、昨年と同じか、雪解けの早さ次第では恐らく一段と深刻な状況を迎える見込みだ。

ただ、作付けがベルト南部で本格化するのは4月半ば、北部では5月である。こうした洪水に関する状況は作付面積へのリスクとなる前に、極めて速やかに改善される可能性がある。現時点では強気材料にはなりにくい。31日の作付意向面積の発表までは狭いレンジでの値動きになりそうだ。

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