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大豆はやはり弱い。反発は短期的か?

  • 2010-05-31 (Mon)18:30
  • 大場良博
  • 大豆
シカゴ大豆相場は軟調な展開が続いている。昨年秋に収穫された米国産大豆が過去最高の豊作だったにもかかわらず、国内需要、輸出ともに低迷しており、需給の弱さが目立っているためだ。5月27日に発表された輸出成約高と4月の圧砕高はともに市場予想を下回る結果となった。また、米国中西部の産地で2010-11年度の作付け作業が順調に進んでいることなども弱材料となっている。

米国農務省の海外農業局が発表した5月20日までの大豆輸出成約高は、今年度、2010-11年度あわせて29万5,400トンであった。前週比では47.7%減である。中国が18.0万トン買い付けた以外、目立った成約は見られなかった。背景には、
南米産大豆の輸出増があると思われる。ブラジルの農業調査会社セレレスから24日に発表された報告によると、2009-10年度の同国大豆収穫が完了し、収穫高が過去最高の6,720万トンに達したことを受け、生産者らは現在、売却に注力している状況だという。また、同社によると、大豆新穀売却率は21日時点で57%と、前週の54%から拡大したという。

しかし、中国の旺盛な輸入需要が引き続き維持されるかどうかは疑問視されている。中国国家穀物油糧情報センター(CNGOIC)が21日までに発表した報告によると、中国の大豆バイヤーによる輸入成約が減少していることが明らかにされている。5〜6月に大量の輸入大豆が到着する見込みとなっているためという。CNGOICによると、同国では大豆が供給超過となる見通しで、成約は期近物が低水準にとどまっており、期先物も減少傾向にあるようだ。このほか、ドイツの油実専門誌オイル・ワールドも25日、大豆価格が今後2〜3カ月の間に下落する可能性が出てきたと報じている。同誌は「中国の大豆着荷量が急増し、在庫の大量積み増しにつながりそうだ。その結果、今年6〜8月出荷分の購入ペースが鈍化する可能性がある」と分析している。

一方、米国内の圧搾需要も低迷している。米国商務省が発表した4月の月間圧搾高は、市場の事前予想(1億3,820万Bu)を下回る1億3,655万Buだった。前月は1億5,614万Buだった。例年、3月から4月にかけて圧搾需要が落ち込む傾向があるものの、2006年以降で見ると、落ち込み幅はもっとも大きかった。これは、1月から3月まで比較的大量に圧搾が進められていた反動の他に、同国景気回復が予想以上に遅れていることが影響しているものと思われる。

シカゴ大豆相場は1ヶ月近く下落基調が続いていることから、今後、手仕舞いによる一時的な反発が入ることが予想されるものの、上記の各要因を考慮すると、積極的に上値を追う展開は期待できそうにない。中長期的には900セント割れを目指して行くものと思われる。

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