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商品価格はおしなべて横ばい

  • 2009-07-22 (Wed)17:57
  • 近藤雅世
  • 原油
原油価格は6月30日の73.38ドルから10営業日連続で下落して50ドル台に片足を入れた後、4日連続で反騰している。しかし、これで原油価格は上昇に転じたと思うのは未だ早計であろう。原油価格を押し上げているのは、景気回復の徴候であるが、果たして本格的な景気回復かというと、それほど際立った徴候はない。17日発表された米国6月の住宅着工件数は前月比3.6%増で予想以上の増加と市場は受け止めた。しかし、実態は前月の53.2万戸が58.2万戸と5万戸増加しただけで、昨年同期は107.8万戸であり、半分近い落ち込みであることには変わらない。市場は少しでも景気が回復する情報を探しているため、この程度の改善でも景気回復を示唆するものとして受け止められる。
市場にはその時々のムードが価格全体を支配することがあるとすれば、今は沈滞ムードであろう。ことに商品市場にとっては、華々しい動きは感じられない。原油価格は取引規制の動きから一斉にファンドが手仕舞いしたことにより下落した。ただ、7月7日の連休明けのファンドの建て玉は前週に比べて約2万枚の減少でネット買い残は8万1千枚に減少した。しかし、14日は412枚だが微増である。CFTCによる規制の噂が一時的なものに終わって、その後のフォローが無いためであろう。ただ、昨日のFRB(米連邦準備理事会)のバーナンキ議長の議会証言においては、FRBも価格が高騰した場合は、資金的や証拠金の引き上げ措置などで適切な規制がされるべきだと述べている。ゲームのルールの変更は、投機家にとって最も怖いことであり、それが予見されれば手を引いて、より簡単な勝ち易い市場に資金は動く。ただ、今のところルールの変更のアナウンスは無く、余程の価格高騰が無ければ、当局は動かないだろうと思われる。
オバマ大統領にとっては、今後の医療改革などに必要な資金を海外から借り入れる必要があり、その有力資金源は中近東の産油国である。だから米国としては原油価格はある程度の価格を保ち、米国債を順調に購入してもらう必要がある。なにせ今年の米国債発行額は昨年の4倍の3兆2500億ドルに上ると言われているからだ。
従って、先般原油価格は50ドルを切るかもしれないといった雪崩減少は少し遠のいたと思われる。
それでは、どうなるかと問われれば、
今はほとんどの商品にトレンドの無い凪(なぎ)の状態だと言わざるを得ない。原油価格は急落こそ免れたものの、OPECが2ヶ月連続して増産しており、420万バレルの減産が遵守されていない。これでは仮に9月の次期総会で減産を決議したところで、誰もその実行を信じる人はいないだろう。その点が昨年と異なるところであり、世界的に原油在庫は潤沢にある。だから高騰する要因は他の資産が痛む恐れがあり、原油や商品投資の方が有利と思われる状況が到来しなければ、当面商品価格は横ばいないしはダルなムードだろう。なにせ夏休みも近いことでもある。

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