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原油価格

  • 2013-07-30 (Tue)09:46
  • 近藤雅世
  • 原油
NY原油価格に関する私の基本的なスタンスは、NY原油価格は95ドル〜105ドルの間を上下するというものである。最近7月19日に109.32ドルまで飛び出てしまったが、特に原油価格を強くする要因があるというわけでもないと思っている。
110ドルに近づけば買われ過ぎということで、売れば良いと思っている。本日時点の強気の話しは、29日付けのフィナンシャルタイムス紙で、欧州の原油需要が2年ぶりに増加傾向に転じ、欧州大陸全体で経済活動が増加していることを示しているという記事である。政府統計で見られた4月と5月の需要増だけでなく、他のデータも景気の勢いを示している。先進国による消費の落ち込みを甘受してきた原油市場にとって、欧州の需要増は予期せぬ価格下支え要因になっているという。しかし、これは昨年が悪すぎたので、それに対する比較であり、絶対値で増加しているとは思えない。仏ソシエテ・ジェネラルの米商品調査責任者、マイケル・ウィットナー氏は「欧州の需要は昨年あまりにも悪化したため、それ以上は悪化しにくいだけだ」と指摘している。
先週末に原油価格が強くなるかもしれないと思ったもう一つの要因はカリブ海に発生した熱帯低気圧ドリアンである。南国の強烈な匂いのする果物のねっとりとした実の味を思い起こさせ、これはと思ったが、日本時間29日午後5時の状況ではキューバの北に熱帯低気圧のまま鎮座しており、たいして大きくはならないようだ。
ドリアンはともかく、今後この地域のハリケーンには注意を要する。
さもなければ、米国の原油生産が毎月増加しており、その分原油輸入が毎月減少している。3週続いた原油在庫の減少は、原油の在庫場所のオクラホマ州クッシングの石油パイプラインが稼働して、流通がよくなったせいで、在庫が南のメキシコ湾岸に移動したためだと言われており、稼働率が上昇しているためもあるとは思うが、米国の石油需要が急激に良くなっているわけではない。OPECも原油を従来どおり生産しており、このままでは過剰生産の状況が続く。だから原油価格は高くならないというのが基本的スタンスである。
こうした商品は簡単で、高くなったら売れば良い。つまり109ドル近辺では売り時だといことであろう。間違っていたらごめんなさい。

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