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イスラエルはイランを攻撃するか?

  • 2012-10-02 (Tue)09:06
  • 近藤雅世
  • 原油
先週イスラエルのネタニヤフ首相は「平和解決の時間は尽きつつある」と述べ、イスラエルのメディアは連日イラン攻撃の可能性を取り上げていた。イスラエルを地図から抹消せよと述べるアフマディネジャド大統領率いるイランを国家存亡にかかわる脅威と位置付けるイスラエルは、核開発が「手出しのできない領域」(バラク国防相)に到達する前に破壊すべきだと主張している。
イスラエルと同盟関係にある米国は繰り返し自制を求めている。イラン領内の目標が多く、飛行距離も長いなど、軍事作戦上の課題も少なくない。イスラエル軍や情報機関にも反対論がある。ネタニヤフ首相らの強硬発言は「単独では攻撃できないイスラエルが米国を巻き込むための揺さぶり」との見方は強い。
 そんなイスラエルのネタニヤフ首相が国連総会に出席するためニューヨークを訪れたが、オバマ大統領はネタニヤフ大統領を避けて、国連での30分の演説の後すぐにワシントンに引き返した。
  これをもってロムニー共和党大統領候補は、オバマ大統領は、イスラエルのイランに対する懸念を単なる「騒音」と一蹴し、「遮断」しようとしている。しかもイスラエルが米国の助けを必要としているときに、ネタニヤフ首相との面会を拒否したと非難した。
 これを受けてオバマ大統領は、28日ネタニヤフ首相と電話会議を行った。「イランの核兵器保有を阻止するという共通の目標で完全に一致した」(ホワイトハウス)。当面は経済制裁を一段と強化しながらイランとの交渉を探ると言うが、会談の詳細はわからない。
 ネタニヤフ首相は、前日の国連総会の演説で、イランが核兵器を保有することになると主張し「我が国の生存が懸かっている」と力を込めた。しかし、29日付の英フィナンシャル・タイムズ紙は、「ネタニヤフ首相の戦略的な譲歩」との見出しで、ネタニヤフ首相は「来年春か夏」と期限を示したため、年内の攻撃がないことを示唆したとも取れると書いている。
 ネタニヤフ首相は、当初ロムニー大統領が当選すれば、イスラエル寄りの政策が取られると期待していた。しかし、世論調査でオバマ有利の評価を見て、今ではオバマ大統領が再選されることを前提とした動きをしているようだ。先週までは大統領選挙前に攻撃すると言われていたが、EUがイランに対して新たな経済制裁措置を採ることを協議していることや、イスラエルのペレス大統領は米国との強調を重視し、単独攻撃は控えるべきだと明言していることもあり、即攻撃という線は少し後退したようだ。

しかし、イスラエルの著名な外交評論家、ズビ・マゼル氏は「イスラエル国民は(ユダヤ人が虐殺された)ホロコーストを忘れていない」と指摘。イランの核兵器開発がさらに進めば「誰が反対しようと(政権は)確実に攻撃に踏み切り、多くの国民も支持する」との見通しを示している。
こうした情勢を総合すると、ネタニヤフ首相は、米大統領選挙などの結果を見つつ、またイランの経済封鎖による効果、核開発の進行状況などを考慮して、来年の春まで攻撃を延期したように見受けられる。ただ、全くそれがなくなったわけではなく、仮にイスラエルとイランが戦闘状態になれば、金価格も原油価格も暴騰するだろう。

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