- 2011-07-28 (Thu)18:46
- 近藤雅世
- 金
米国の債務上限法案に対する与野党の争いがなかなか妥協点を見いだせない。最近の世界的な傾向として、政治家が国家のためや国民のために良識を働かせて政策提言をするというよりは、次の選挙に自分がいかに生き残るかに汲々とした政治家が多くなったということであろう。世界各国が過去の巨額な負債を抱え、その返済が現在の収入よりも多くなりつつある。返済を返すことができるということは、収入が支出よりはるかに多いことが前提であるが、最近の国家は収入より支出の方が多いその日暮らしである。生活するためにも借金をしなければならず、借金返済どころではない台所となっている。だから、現在の生活を維持するためのツケは次世代に先送りする政治家の態度となっている。そこで、緊縮財政や増税でも叫ぼうものなら政治家としての来年は無いことになる。だから、政治家はそうしたギリギリの選択もすべて選挙に勝つことを視点として考慮する。今回のオバマ政権にとっても、共和党は何とか短期の債務上限は認めても、長期あるいは債務上限を取り払う等という勇気ある発言は無い。何かと言えば、共和党は、来年の11月にある大統領選挙の直前に再び債務上限問題をぶり返してオバマ政権を困らせようという一点に政策が絞られている。そこで与野党の攻防が行われている。米国の負債をどうするかの議論ではなく、民主党から政権を取り返すことに全精力がつぎ込まれている。これはどこかの国でも同じである。政治の貧困が世界的に蔓延している。
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