- 2011-07-11 (Mon)19:48
- 近藤雅世
- 金
ギリシャの問題は、未だ終わっていない。第一次融資の1100億ユーロは5回の分割融資が3カ月おきに行われ、先週120億ユーロが欧州財務相理事会で承認され一息ついたが、これだけでは足りないため第二次融資1200億ユーロの話合いが11日欧州で行われている。問題は民間の負担を条件にするかどうかである。様々な案が出されフランスの金融機関は30年債と交換するというもの、既存投資の3割は確保され、残り7割はAAA保証スキームで30年掛けて返済されることになる。一方ギリシャは、経済成長ができた場合は2.5%の追加配当を払うというもの。債務の返済ですら危ういのに、追加配当ができる程経済が回復するとはだれも思っていないので絵に描いた餅であろう。しかし、仮にそれが自発的に行われた債権繰り延べであっても、金融機関が大きな損失を出すならデフォルトと見なすとS&Pは警告している。また、民間負担により一部の債務が繰り延べされても、第一次融資と第二次融資の巨額の借金をギリシャが返せなくなる可能性は十分ある。
ギリシャ国債を保有するポルトガルの銀行があるということで、ポルトガルの格付けもムーディーズにより4段階引き下げられた。不良債権発生の恐れは信用不安を増幅する。欧州危機はギリシャ国債ばかりでなく、ポルトガル、スペイン、アイルランド、イタリアと次が控えている。ギリシャに民間が協力するなら、他の国の返済も民間負担が条件となるかもしれない。ギリシャ国民でなくとも、自国の銀行預金をおろしてスイスや米国の銀行に預け直す動きは起きるだろう。その引き出された資金の一部は金に回ることは十分考えられる。
ギリシャ国債を保有するポルトガルの銀行があるということで、ポルトガルの格付けもムーディーズにより4段階引き下げられた。不良債権発生の恐れは信用不安を増幅する。欧州危機はギリシャ国債ばかりでなく、ポルトガル、スペイン、アイルランド、イタリアと次が控えている。ギリシャに民間が協力するなら、他の国の返済も民間負担が条件となるかもしれない。ギリシャ国民でなくとも、自国の銀行預金をおろしてスイスや米国の銀行に預け直す動きは起きるだろう。その引き出された資金の一部は金に回ることは十分考えられる。