- 2011-07-04 (Mon)18:58
- 近藤雅世
- 金
先週商品価格は大きく下落した。その要因は二つであった。一つはギリシャ国会が僅差で財政緊縮法案を可決し、2日の電話による欧州財務相会議でギリシャに対する第5次融資の120億ドルが承認され、ギリシャは7月15日に予定される国債の借り換え資金を調達できたという短期的安堵感、もう一つは、米農務省が6月30日に発表したトウモロコシの作付面積が予想に反して増加し、5月の需給報告並みに戻ってしまったこと。作付の遅れから作付面積は減少するか良くても6月の需給報告程度だろうと思っていた向きを全て裏切ったため、シカゴトウモロコシ価格は70セントという過去最大の下落となり、それが大豆や小麦、砂糖価格の下落を誘った。こうした中で、今後もどんどん下落していくかというと、そうした雰囲気はない。金はギリシャ問題は一時的解決に過ぎず、7月のデフォルトは無いが、今後全くないとは言い切れない。仮に債務再編、つまり40%のヘアカット等で債務帳消しとなれば、ギリシャ国内の金融機関は大きな不良債権を抱えることになり、それが連鎖して欧州から米国、日本等の金融機関に波及するだろう。一方トウモロコシの方は、在庫が予想以上に多かったとはいえ、それでも少ない状況には変わりなく、問題は今後の天候次第ということになる。恐らくファンドは金も穀物も買い残を売り離していることであろうから、今後再び買い始める可能性は十分ある。つまり、今回の値下がりは一時的なものだと判断して良いのではないだろうか?恐らく金は安値を拾う場面であり、穀物は今後の天候をしっかりと見極める段階であろう。