- 2011-06-16 (Thu)16:22
- 近藤雅世
- 金
商品全般に不透明感が漂っている。なぜなら、FOMC(米公開準備委員会)が6月21日から22日に欠けて開催され、QE2を終える予定だが、その後の金融政策がはっきりしないからだ。米国はデフレ懸念から4月の消費者物価指数が3.2%上昇し、インフレ警戒も出てきた。QE1とQE2がもたらしたものは、株価の上昇と商品価格の上昇による世界的なインフレであったが、肝心の実態経済の改善は進まず、失業率は悪化したままである。量的緩和政策によっても、低金利にしても企業の借入は増えるどころか、負債の返済による貸し出しの減少という事態になっている。余った資金は投機マネーを潤しただけであった。そのため更なる金融緩和は考え難い。どのような政策が打ち出されるかわからないところではファンドの動きは慎重にならざるを得ず、ポジションを解消したり、資金を安全資産に移す動きとなっている。唯一米国の10年国債が買われ利回りが低下している。その意味では金も同様買われる商品ではあるが、金以外の商品はどちらかというと様子見となるだろう。相場は休む必要もある。ここはじっくり情勢をうかがってスタンバイしていたら良いかもしれない。
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