- 2011-01-17 (Mon)20:23
- 近藤雅世
- 金
2011年の金価格は下落から始まっている。これはファンドが手じまいしているためであろう。米大統領選挙のある年の前年のダウ平均株価を1972年までさかのぼって調べてみたら、過去40年間で10回の米大統領選挙の年の前年は2008年のサブプライムローン問題から引き続いたリーマンショックの時だけを例外として、10回中9回は株価は16%〜56%上昇していた。大統領候補は、選挙を前に何が何でも景気を浮揚させるよう努力するのであろうし、それを知っている株式投資家はわれもわれもと買い上げるのであろう。NYダウ平均株価は12月から急上昇している。米国の景気が決してよくなったわけではなく、2008年1月かr2009年10月までの間に失われた職は830万人分、2010年に職を得た人は110万人、未だ730万人が職を得られずにいる。1月7日失業率が9.8%から9.4%に下がったのは、失業者が減ったのではなく、職を探すのをあきらめた人が増えたからだという。12月の雇用者数は10万3000人。このままでは雇用を取り戻すために70カ月かかる。イエレンFRB副議長は、批判の多いQE2(金融緩和第二弾)を擁護するために、6000億ドルの国債購入は民間セクターの雇用を70万人増やすと講演し、批判をかわしている。米国の第34半期の企業収益は年換算で1兆6,590億ドルとなり、過去最高を記録した。これだけ稼いでいても米国の雇用が改善しないのは、海外での収益が多く、また得た収益を内部留保する企業が多く先行投資に回さないからだという。なかなか雇用情勢の改善には至らないが、今年は米国の株価は徐々に上がるような気がする。ならば短期的には金安か?
(続く)
(続く)
ただ、中長期的には金はインフレ懸念、過剰流動性、通貨安、欧州等のソブリンリスク、米国の金融不安等金高になる材料には事欠かない。問題はそれらが顕在化するかどうかであり、そのことは今からいつ何が起きるという予想はできない。何もなければ自然に安くなるパターンであろう。
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