- 2010-12-13 (Mon)16:23
- 近藤雅世
- 金
金に対するファンドのネット買い残が再び25万枚を超えてきた。10月5日に28万380枚まで増加したネット買い残は、その後4週減少し、1週増加した後2週減少していた。しかし、11月末から2週連続で増加している。欧州危機に加えて中国のエンジンノッキングを起こしつつある。11月の消費者物価指数が5.1%、生産者物価指数が6.1%の上昇を見て、中国政府は金融引き締めを行い先週金曜日今年第6回目の預金準備率の引き上げを行った。投資家は、米国の景気回復を期待してNY株価を上げてきたが、失業率が上昇しサプライズとなった。この背景には集計の方法の違いがあったようである。そのため、いずれ下方修正されるだろう。11月の自動車販売が16%伸び、12月のミシガン大学の消費者信頼感指数は74.2と前月の71.6から上昇し、6月以来の高水準となった。景気後退入り直後の2008年1月からは3番目に高い水準となる。景気現況指数は85.7と、全月の82.1から上昇し、2008年1月以来の水準となった。こうして景気回復期待は大きいが、長期金利が上昇しており、3.5%に近付いている。そのため、住宅ローン金利が4.61%まで上昇し、金利の上昇は企業業績を圧迫する要因となる。更に、共和党の攻勢に押されてオバマ大統領はブッシュ減税の延長に同意した。財源なき減税継続に対し、債券市場や格付け会社は警戒感を強めている。欧州も、中国も、米国にも投資できないとすると、運用資金は取りあえず金に向かう。当分金価格は上昇傾向になるだろう。
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