- 2010-12-07 (Tue)11:37
- 近藤雅世
- 金
金銀価格は引き続き高騰している。12月6日(月)のNY金2月限は、9.90ドル高の1416.10ドルで、11月9日につけた終値の1410.10ドルの史上最高値を抜き、引け後には1429.40ドルまで急伸し最高値も更新した。また、NY銀価格は46.4セント高の2973.5銭とと30年ぶりの高値となっている。iShare Trustによれば、銀のETF残高は12月6日10816.69トンに38トン増加し、11月23日の史上最大残高10893.68トンに迫っている。
きっかけは、12月3日の米労働指標が予想外の悪化だったことだ。事前予想では、非農業部門雇用者数は+70,000人〜+200,000人で、中心値は14.5万人だった。しかし、結果は3万9千人だった。
バロンズ誌によれば、11月の事業所調査データは調査対象事業所41万社のうち、65.9%に過ぎず、過去3カ月平均の73.5%を下回っている。労働統計局が95%の回答を得る1月のレポートが発表される2011年2月4日には、大幅な情報修正される可能性があると言うが、取りあえずはサプライズであった。
米国の11月の雇用情勢を評価する12の経済指標のうち、10月より悪化したもの、失業率、非農業部門雇用者数、ISM製造業雇用指数、消費者信頼感指数(職を得るのが困難)、米企業人員削減数(チャレンジャー)、NY連銀製造業業況指数(従業員数)、モンスター指数、新規失業保険申請件数の8つであった。10月より改善したのは、ADP全米雇用報告、フィラデルフィア地区連銀業況指数(従業員数)シカゴ地区購買部協会雇用指数、ISM非製造業雇用指数の4つであった。従って、仮に2月に改定されるとしても、米国雇用情勢は11月は悪化していると考える方が正解かもしれない。
こうした米国の景気低迷と欧州の金融不安のくすぶりを受けて、貴金属価格は上昇している。(つづく)
きっかけは、12月3日の米労働指標が予想外の悪化だったことだ。事前予想では、非農業部門雇用者数は+70,000人〜+200,000人で、中心値は14.5万人だった。しかし、結果は3万9千人だった。
バロンズ誌によれば、11月の事業所調査データは調査対象事業所41万社のうち、65.9%に過ぎず、過去3カ月平均の73.5%を下回っている。労働統計局が95%の回答を得る1月のレポートが発表される2011年2月4日には、大幅な情報修正される可能性があると言うが、取りあえずはサプライズであった。
米国の11月の雇用情勢を評価する12の経済指標のうち、10月より悪化したもの、失業率、非農業部門雇用者数、ISM製造業雇用指数、消費者信頼感指数(職を得るのが困難)、米企業人員削減数(チャレンジャー)、NY連銀製造業業況指数(従業員数)、モンスター指数、新規失業保険申請件数の8つであった。10月より改善したのは、ADP全米雇用報告、フィラデルフィア地区連銀業況指数(従業員数)シカゴ地区購買部協会雇用指数、ISM非製造業雇用指数の4つであった。従って、仮に2月に改定されるとしても、米国雇用情勢は11月は悪化していると考える方が正解かもしれない。
こうした米国の景気低迷と欧州の金融不安のくすぶりを受けて、貴金属価格は上昇している。(つづく)
もう一つ気がかりなのは、中国の証券誌によれば、今週末中国が利上げを行うかもしれないという観測である。FT誌によれば、中国の地方政府や国営企業がここ数年大量の銀行借入を増やしているので、中国当局は、金融引き緊めのために新規貸し出し抑制や、総量規制は行うとしても、利上げはできないだろうという観測もあるが、実際はどうであろう。いずれにせよ、胡錦濤主席は経済のかじ取りを景気浮揚からインフレ抑制に切り替えたため、上海株価や不動産価格は頭を押さえられるだろう。
上海株の下落は貴金属にとって二つの見方ができる。単純に、先進国株価対発展途上国株価のバランスを考える場合、資金が海外投資'’および''商品投資に回っていた資金が預金なり、米国債に戻るという側面、この場合は商品価格下落に結びつく。一方で、証券投資(リスクマネー)対預金なり米国債という構図では金は米国債同様安全資産に入るであろう。貴金属の中でも、銀やプラチナ等の商品に近いものは前者になる可能性がある。ということは、金価格は比較的まだまだ上昇余地があると思われる。
注意すべき点はファンドが手じまいする時で、クリスマス休暇前はいったん手仕舞いの動きが出るかもしれない。
上海株の下落は貴金属にとって二つの見方ができる。単純に、先進国株価対発展途上国株価のバランスを考える場合、資金が海外投資'’および''商品投資に回っていた資金が預金なり、米国債に戻るという側面、この場合は商品価格下落に結びつく。一方で、証券投資(リスクマネー)対預金なり米国債という構図では金は米国債同様安全資産に入るであろう。貴金属の中でも、銀やプラチナ等の商品に近いものは前者になる可能性がある。ということは、金価格は比較的まだまだ上昇余地があると思われる。
注意すべき点はファンドが手じまいする時で、クリスマス休暇前はいったん手仕舞いの動きが出るかもしれない。
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