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ユーロが反転上昇して金価格は上がるのではないだろうか

  • 2010-03-31 (Wed)17:48
  • 近藤雅世
先週の見通しと逆になるが、ギリシャのソブリンリスクが解決されそうなため、ユーロ高になり、ドル安、金高になるのではないだろうか?

なぜ先週と見方が180度変わるかというと、ユーロドルは金価格と逆相関しているのか順相関しているのかという見方が変わったからだ。

今年の初めから2月中旬までは金価格はユーロドルと正の相関関係を保っており、その相関係数は0.88と高かった。つまりユーロが安くなると金価格も一緒になって下落していた。市場はユーロ安=ドル高=金安と読んでいた。しかし、2月中旬にギリシャ危機が表面化してからは、ユーロ安=金安とはならず、逆に金高となった。相関関係は全く崩れて、どちらかというと逆相関となった。リスクの高まりがユーロ圏資産家においても、ユーロを売って金を買わせる動きを加速させた。ところが、3月中旬以降は再びユーロと金は順相関に戻っている。つまり、ユーロ安=ドル高=金安、ユーロ高は金高である。

それでは、今後のユーロの動きはどうなるかであろうか?(つづく)

昨年11月中旬から12%もユーロ安になった反動がそろそろ出始めるのではないかと思われる。なぜなら、CME(シカゴ商業取引所)に上場されているユーロのネット売り建て玉が7万枚を超え、2005年以降最大となっているからだ。更に売りが増える可能性もあるが、どちらかと言えば、そろそろ積みあがった空売りを買い閉じる時期に入るのではないかと思われる。つまりユーロ買いである。

そのきっかけは、ギリシャ危機の終焉である。25日欧州16カ国は、まずギリシャが自力で資金調達を行い、金融市場から資金を借りられない事態に陥った場合の最後の手段として、ユーロ圏16カ国が全会一致で合意することを条件に、IMFが主導的な役割を果たしつつ、ユーロ圏が2/3、IMFが1/3の割合でギリシャを支援を行うもの支援策を決議した。全回一致という条件はドイツが拒否権を最後まで留保したもの。

ギリシャは4月から5月にかけて235億ユーロの国債の償還を迎え、70億ユーロしか資金が無いため、5月末までに155億ユーロ(約1兆9300億円)の資金調達を行う必要に迫られている。これは1月〜3月の同国の再建発行額に匹敵する。

そして、ギリシャは29日、50億ユーロ(67億ドル)規模の7年物国債を発行した。欧州連合(EU)が25日に緊急支援策で合意して以来初めて市場の信頼感を試すものとなったが、復活祭を控えていることや軟調な欧州市場を背景に需要は伸び悩んだ。 新発債は約70億ユーロの需要を集めた。ギリシャが3月上旬に発行した10年物国債の需要は160億ユーロ超で、これを大幅に下回った。主幹事筋によると応札機関は約175社で、前回の50億ユーロ・10年債発行時の400社から減少した。

とは言え、ギリシャはこれで100億ユーロを3月中に集めたことになる。最悪4月〜5月の償還資金に不足を来たせばIMFと欧州諸国が貸してくれるという言質は取ってある。表面的にはこれでギリシャソブリンリスクは無くなったと言えよう。市場はおっかなびっくりながら、徐々にユーロを買い戻すのではないだろうか。それはドル安を導き、金価格は上がるだろう。

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