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AIと相場

筆者はほとんど毎日、暇があるとネットで対戦囲碁を行っているが、囲碁の世界ではGoogleのAIに世界のトップ棋士が完敗している。またAIの出現によって、これまで悪手とされていた定石が、その方が良いという判断に代わってしまった棋譜が数多くあるようになった。当初のGoogle社のAIは過去の人間が打った手をすべて入力し、数千万件の棋譜を覚えて、その最適解を出すものであったが、次世代のAIはAI通しで数千万局を打たせて互いに競い合わせることにより、過去の棋譜の再現ではなく、新しい手を独自に生み出すようになり、これと共に、人間は勝てなくなった。そして現在のプロ棋士はAIの導く新手を覚えないと勝てなくなっている。
要するに考えるAIの出現である。これまでのコンピューターは、例えば相場に使うハイフリークウェンシーのコンピューターは過去の相場のどの場面に当たるかを現在の相場から判断し、その後の展開を推理するというものであり、結局過去の相場の確率を瞬時に求めるものだと理解している。囲碁の場合は19×19の盤面上で、人間にとってはほぼ無限と言える世界であるが、AIにとっては、瞬時に確率を計算するのはお手の物であるが、その程度では勝てなかったところ、人間と同じように、新手を考え、その先どうなるかを一手ごとに考えるようになっている。
こうしたAIを相場に使うとどうなるのかは知ってみたい気がするが、AIが必ず勝つなら相場は囲碁と同様に面白くなくなる。
さて、以下は5月20日付けの日本経済新聞記事である。
『人工知能(AI)を用いて農産物の作況を予測し、商品先物市場で活用する取り組みが動き出している。作況をいち早く正確に分析して売買の材料にする。農業データ分析を手掛けるスバックテクノロジーズ(東京・千代田)はコメの作況をリアルタイムで計測するシステムを開発中だ。政府統計の発表を待って売買する従来の取引手法を変える可能性もある。
「コメの作況指数をリアルタイムで予測できれば様々なビジネスになる」。スバック社の鈴木光晴社長はこう語り、2021年を目標に秋田県や新潟県のコメ作況をリアルタイムで予測するシステム開発に取り組んでいる。AIの機械学習で衛星画像や気象予報といったデータを解析して、コメの生育状況を予測。6月から作況を2週間おきに出す。同サービスを大阪堂島商品取引所に上場する秋田産や新潟産のコメ先物の参加者に販売し、取引の売買材料にしてもらう狙いだ。コメは田植えが順次始まる5月から、収穫を左右する天候によって相場が変動する天候相場の時期に入る。農林水産省の作況指数はサンプルを基に統計を作成するため速報値でも8月末、指数として公表されるのは9月末まで待つ必要がある。18年産の新潟コシヒカリは作況悪化が確認された9月から相場の上昇が顕著になった。
カギはいかに正確な作況を予測できるかだ。「多様なデータ集めがカギになる」という鈴木社長。ドローンを用いるなど現地の様々なデータを視野に入れる。農業データを活用したビジネスは官民で始まっているが大半は省力化や品質向上に関する開発に限られ、商品先物市場に焦点を当てた例はほとんどない。同社は人材を1人採用し、システムの開発を急ぐ。
同様のサービスは米国では普及しつつある。米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループは18年春から米スタートアップのテルアスラボ社と提携し、テルアスラボ社が分析した大豆など穀物の生育状況を有料のデータを配信するサービスを始めている。
テルアスラボ社は衛星画像などからAIで穀物の作況を予測するが、実力は折り紙つきだ。16年には国の大豆の単位あたりの収量が1エーカー当たり52ブッシェルになることを米農務省が需給報告で修正するより2カ月も早く正確に予測した。将来性が注目され同社は18年末、米農業技術開発のスタートアップ、インディゴ・アグリカルチャーに買収された。
商品先物市場は従来は政府統計の発表などを待って売買され、相場が動くケースが大半だった。AIによるファイナンスの影響に詳しい和泉潔・東京大学大学院工学系研究科教授は「単純に統計の内容を待って先物相場が動くというパターンは変わる可能性が大いにあり、統計の内容を踏まえ市場参加者がどう動くかという読みがより重要になってくる」と指摘する。』


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