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マクロ経済の動きと商品価格


 米国の好景気は4月で118カ月に及び、過去最長だった1991年3月の底から2001年3月までの120カ月の好景気に、あと2ヵ月に迫っているという。そんなに景気が良いとは思えないが、2007年頃の世界金融危機から比べると今はぬるま湯に浸かっているようなものである。もっとも、2018年の米国のGDP成長率は+2.9%で、日本は+0.8%と3倍以上の開きがあるので、日本で感じる景気よりは米国の景気の方がはるかに好景気を感じていることであろう。
 こうした好景気と商品価格は、原油価格では需要の好調さに反映される。ただ、原油の需要は、ガソリンや軽油、灯油、ジェット燃料、ナフサ等の石油製品需要によって形成されている。時代と共に自動車排気ガスは環境規制から制限されるようになり、電気自動車が今後の主流と目される。こうした経済の構造変化は商品価格に影響を与える。電気自動車は未だ4%程度と思われ、石油企業は今後もアフリカ等新規に自動車が売れる地域ではガソリン車があくまで主流であると強気の姿勢を崩していないが電気自動車の伸びが今後数十年でどう変わるか、先のことはわからない。
 原油の掘削方法も水平工法や水圧工法が新たに導入されて、頁岩という岩石中に貯留していたシェールオイルをくみ出す方法が開発され、生産量が世界的に拡大した。おそらく旧式の掘削方法のみであれば、年々原油の生産は先細りとなり、原油価格は上昇していたであろう。
 マクロ経済ではないが、こうした技術開発は消費構造のみならず、供給構造にも大きな変革を与える。
 安部首相が掲げた三本の矢は『大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略』であるが、現在の日本の経済低迷の主な原因は、第三の矢が無いためだと思われる。モノ余りの時代で、それ程新たに欲しいものが無く、たとえあってもその金額が小さいので大きな経済効果を産みにくい。自動車やスマホに代わるような新たな産業が発生しなければ、少子高齢化のために国民総生産は横ばいにならざるを得ないだろう。
 そうした時代の商品価格は横ばいの上下動を繰り返す時間が長くなる。投資家としては、いかにそうした横ばいの上下動の中で収益を取るかが課題となっている。

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