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  • 2010-01-20 (Wed)18:14
  • 近藤雅世
少し遠い話かもしれないが、今からドルキャリートレードの巻き戻しがいずれ起きることを想定しておかねばならない。そのきっかけはたくさん考えられる。状況としては、世界中の金融機関が景気回復のために貸し出しを緩め、金利を安くして資金の供給を潤沢にしている。しかし、いくら金融機関がお金を貸してくれても使い道が無い。だから、金融機関自身も含めて、資産の購入に資金を使っている。米国ではドルを安く、大量に借りられるため、その資金を使って、新興諸国の株式や通貨を買っている。中国では、政府系金融機関から国営企業が資金を借りて、設備投資ではなく建物投資を行っている。物件を建てては転売することにより利益を上げている。それはドバイ等の中東諸国でも同じで、世界一の超高層ビルを建て、砂漠に素敵なオアシスの高級住宅地を作っている。いずれもそんなにすごいものを作れば売れるはずだというもくろみだった。しかし、実際問題はたとえそれが即日完売になったとしても、買った人が入る予定は無い。何とかして転売したいと転売先を探し、値上がりすると思った人は銀行から借り入れて物件を買い転売する。こうした資産バブルが世界中で増殖している。中国人の富の70%は0.3%の人々が保有しているという。そうした富の偏在がある限り、実際に需要のある住宅やビルは知れている。

さて、そうした状況に政府や中央銀行は気付いている。資産バブルが世界的に増殖し、それを止めようと金利を上げたり引き締めするとバブルが弾けることもわかっている。しかし、それをしないとバブルはますます増殖し、どんどん規模が膨らむ。破裂したときの影響は時と共に拡大している。

FRBは2月末〜3月末にかけて不動産担保証券(MBS)や政府支援機関債(GSE)の買取を停止し始める。これも一つのドルキャリートレードの巻き戻しのきっかけになるかもしれない。潤沢に流れていた資金の蛇口が止まるからだ。

中国の預金準備率が0.5%引き上げられて金の価格が下落したのは1月12日であった。今後こうした施策が中国の金融引き締めの第一歩と解釈されると、中国のバブル崩壊から中国株の下落を恐れたドルキャリートレードは急激に巻き戻される可能性がある。

ドルキャリートレードが巻き戻されると、急劇なドル高となる。ドル高は即ち金安である。現在じわじわ上がっている金価格も、いずれどこかで、ドルキャリートレードの巻き戻しという絶壁が待ち構えている。当面は1月26日のFOMCであろう。

先日のセミナーで日本航空の株式を買うことを推奨したが、今朝の新聞で、日航が上場廃止になるときに100%減資を行うと書いてあった。それが本当なら、現行の株主はパーになるので、よく証券会社等に問い合わせられた上で対処されるようお願いしたい。申し訳ありません。

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