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暖波襲来!

  • 2010-01-13 (Wed)10:59
  • 近藤雅世
来週から異常高温が来ると日本の気象庁が発表しました。業界用語では暖波というのだそうです。これは日本ばかりでなく、来週から世界的に暖かい天気になりそうだといいます。そのため、昨日の原油価格は1.73ドル(2.1%)下落して、80.79ドルになりました。80ドルを切るのも時間の問題でしょう。

昨日原油価格や金など多くの商品価格が下落したのは、中国が預金準備率を0.5%引き上げたからです。突然のことなので、世界中が驚き、中国の金融引き締めが起きるとの連想になりました。

金価格にとってはFAVOURなはずですが、中国政府が外貨準備で「金」を買い増すことを躊躇するのではないかという遠まわしな印象になったようです。

中国の金融引き締めがなぜ金にFAVOURなのかというと、中国の金融が引き締められるとバブルが崩壊する可能性があるからです。中国では今一番問題となっているのが、住宅やビルの建築ラッシュです。中国の税制は不動産取引税だけなので、日本の固定資産税に相当する税金が無いそうです。だから、不動産を買って持っていればいずれ値上がるという思惑から、住む人のない住宅や借りる人のいないビルが、銀行からの借り入れによりたくさん建設され、空き家になったまま転売されて、価格が上昇するたびに大もうけという、いつかどこかであったような事態が進行中です。地方政府の幹部もこの手法で土地を買い、建物を作って売るという投機に熱中しているようで、そうしたバブルはいずれ弾けることになっています。

弾けるとたいへんなことが起こります。そしてバブルを弾く政策が金融引き締めなのです。だから、本来は金融引き締め→バブルの崩壊→経済の混乱→金価格の高騰という図式になるはずです。しかし、今のところ、金融引き締め→金利の上昇→金価格下落の連想となっているようです。

世界中の政府はいずれ出口政策を採って現在の超低金利金融緩和政策から脱出するはずです。しかし12月15日のFOMC(公開市場委員会)の議事録が出て、米国では絶対に利上げは出来ないよねという評価が高まり、年初からドル安、金高となっていました。

今回の中国の措置は米国は無理でも中国はあるよという警告です。豪州が利上げした時以上の効果があります。

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