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『先行き不透明な時』

筆者は、毎週金や原油の価格をU-Tubeで放映しているが、(毎週月曜日午後8時 『Gold TV net』にて金やプラチナ・原油の解説をYou Tubeの動画で近藤雅世と小針秀夫が行っております。サイトは『Gold TV net』でご検索ください。https://gold-tv.net/)正直言って、今は金の価格も原油の価格も先行き不透明である。つまり価格が上がるか下がるかわからない時期である。
本日は週刊経済指標でIMFと世界銀行のコラムを掲載したが、世界銀行は『2020年の日本と米国のGDPは▲6.1%、欧州は▲9.1%減になると見込まれ、新興国・発展途上国では▲2.5%減と予想されている。また2021年の世界のGDPは+1.0%としているが、経済の回復は不確実性が高い』と述べている。

新型コロナウィルスの感染はJhons Hopkins大学のCOVID-19 Dashboardによれば、6月16日時点の世界全体の感染者数は805万8,427人、米国が211万4,026人(26%)、ブラジル、ロシア、英国など、49位の日本より感染者が多い国が大半であり、かつ、毎週大きく増加し続けているのが現実である。日本は優秀な医療施設や、強制しなくても3密を避ける人々の整然とした動きで、新型コロナウィルスの蔓延は避けられているが、これは世界の中で例外に近い存在である。
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世界経済は思ったより悪くなっており、簡単には元に戻りそうにないと認識した方が良いだろう。株価は一時的に回復したが、安値の株式を買い漁った動きであり、景気が回復することを先取りした動きではない。破綻した大手レンタカー企業ハーツの株価が5倍に急騰したり、経営破綻した石油開発のWhiting Petroleum の株価は3倍以上に、小売りのJC Pennyの株価も約2倍に上昇し、倒産したシェールオイル企業Chesapeakeの株価も4倍以上に急騰している。こうした安物買いの結果が6月中旬のダウ平均株価の値上がりとなっているという。これらは、FRBの資金供与によってかろうじて生き延びているいわゆるゾンビ企業の株価が買われたものだと言われている。そのFRBは先週のFOMCにおけるドットチャートでは2022年までゼロ金利が続くとする理事が多数を占めている。それだけ景気の回復は遅いと見ているためだ。
早く経済は元の形に戻って、景気が回復してほしいと願うのは人々の思いであろうが、個人消費は落ち込んでおり、10万円の給付が火付け役になるとは思えない。
金については、価格が上がる要因が考えられない。株価が急落すれば、政府ヘイブンとして資金の逃避先になるだろう。だが、ずるずると株価が下がる場合は金価格は動きようがない。またファンドが買っていないことが気になる。
原油についても、確かに米国のガソリン出荷量は底を脱している。しかし、まだその水準は下落の半返し状況で、それは米国ガソリン価格も同じである。決して米国の飛行機が飛ばないため車のドライブが増えているというデータではない。だから原油価格も上がるとは言いにくい。石油・天然ガス掘削リグ数は大幅に減少しており、以前は秋口から米国の原油生産は急減するだろうと述べていたが、シェールオイル企業の中には価格が回復してきたので、生産を増やすと述べているものが出てきた。OPEC+の産油国も、できれば歳入を増やすために増産したいところであろう。価格が回復してくれば供給量が増えるとう構図になっているので、需要の回復とどちらが早いかである。いずれにせよ、供給不足は考えられない。
コロナの行く末も含めて、先行き不透明としか言いようがない。
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